備忘録 22-09-17
怨み豈(あ)に明らかなるに在(あ)らんや、見えざるをこれ図れ
――怨豈在明、不見是図
『書経』
人の怨みを買うほど、つまらないことはない。マイナスばかりで、一つもプラスになることはないからである。恨みを買うケースにもさまざまあるが、原因がわかり相手がわかっているものは、対応の仕方もあるから、まだよい。始末が悪いのは目に見えない怨みである。だいたい怨みというのは、そういう形で存在するものが多いから、はなはだ厄介だ。
それを語っているのが、このことばである。
人の怨みというのは、爆発してから対応しようとしても、すでに手遅れである。爆発したときには、こちらの身が持たなくなってしまっているかもしれない。だから、爆発するまえに、目に見えない段階でそれを察知し、慎重に消しとめておけ、というのだ。
そのためには、たえず自分の行動をチェックし、人の怨みを買いそうな要素を取り除いておかなければならない。禍を未然に防ぐためには、そういう心構えが望まれるのである。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日がんばりましょう。