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備忘録 22-11-21

敢えて天下の先(せん)たらず

――不敢為天下先

『老子』

『老子』によれば、この世の中を無事に生きていくためには「三宝」すなわち三つの宝が必要なのだという。三つの宝とは、「一に曰く、慈。二に曰く、倹。三に曰く、敢えて天下の先たらず」である。ちなみに「慈」とは、人をいつくしむこと、「倹」とは、物事を控え目にすることだ。

『老子』は、この三つのことを挙げてから、つぎのように語っている。
「人をいつくしむからこそ、勇気が湧いてくる。物事を控え目にするからこそ、行きづまらない。人々の先頭に立たないからこそ、逆に指導者としてかつがれる。いま、いつくしむことを忘れて勇気だけを誇示し、控え目な態度を捨ててわれ先に駆け出し、退くことを忘れて先頭に立つことだけ考えたら、どうなるか。破壊あるのみだ」

これらはいずれも、乱世を生きるための英知といってよい。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

今週も宜しくお願いいたします。

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