備忘録 22-12-08
利を以って合する者は、窮禍患害(きゅうかかんがい)に迫られて相棄(す)つ
――以利合者、迫窮禍患害相棄也
『荘子』
利害関係で結ばれた者は、苦境や困難に直面すると、たちまち相手を見棄ててしまうのだという。その逆はどうか。『荘子』はこう語っている。「天を以って属する者は、窮禍患害に迫られて相収(おさ)む」
「天を以って属する者」とは、わかりやすく言えば、深い信頼関係で結ばれた者である。そういう場合は、苦境や困難に陥ると、かえって親身になって助け合うのだという。
これまた真理と言ってよい。
われわれは多面的な交友関係のなかで生活しており、利害関係で結ばれているケースも少なくない。それが悪だというわけではないが、こういうものだということは、はっきり認識しておいたほうがよいだろう。そうすれば、相手に余計な心理的負担を強いることもないし、こちらで対応を誤ることもない。いざと言うとき、頼りにならないものを頼りにするのは、もっとも拙劣な処世なのである。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。
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