備忘録 22-11-26
人を挙(あ)ぐるにはすべからく退(たい)を好む者を挙ぐべし
――挙人、須挙好退者
『宋名臣言行録』
「退を好む者」とは、控え目で、おれがおれがとしゃしゃり出ない人間である。人を推薦するときにはそういうタイプを選んだほうがよいというのだ。宋代の張詠(ちょうえい)という大臣の語ったことばであるが、これも一つの見識であるかもしれない。
なぜかといえば、 その理由はこうである。
「退を好むものは簾󠄀謹(れんきん)にして恥を知る。もしこれを挙ぐれば、志節いよいよ堅くして、敗事あること少なからん」。欲が少なく、与えられた職責をきちんと果たすので、結局、失敗が少ないのだという。
これと反対なのが、おれがおれがと競争心をむき出しにするタイプである。これを奔競(ほんきょう)の者」と呼んでいるが、なぜこれがまずいのか。
「奔競の者は能く曲げて諂媚(てんび)を事とし、人の己を知らんことを求む。もしこれを挙ぐれば、必ず能く才に矜(ほこ)り利を好み、累(わずら)い挙官に及ぶこと故(もと)より少なからず」
たしかに一理あるかもしれない。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。
ステキな週末をお迎え下さい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?