備忘録 22-11-19
事(こと)は密なるを以って成り、語(ご)は泄(も)るるを以って敗(やぶ)る
――事以密成、語以泄敗
『韓非子』
計画を成功させるためには秘密のうちにとり運ばなければならない。外に漏らしてしまったのでは失敗を免れない、というのである。口にはくれぐれも注意せよ、ということだ。
こう言ってしまうときわめて平凡だが、『韓非子』はこれを君主に対する心得の条として語っている。たとえば、何かのはずみで君主の秘密にふれてしまったとする。すると、「こいつ知っているな」と疑われて、こちらの身が危うくなるのだという。また、自分の献策を他の者がかぎつけて外に漏らしたとする。こんな場合も、嫌疑は自分にかかって、 こちらの身が危うくなるのだという。
現代ではもはやこういうきびしい関係はないかもしれない。だが一般的に言って、計画段階で事が漏れたのでは、ただちに失敗につながることはないとしても、マイナスが大きい。秘匿すべきは秘匿すべきはあくまで秘匿する――これがやはり事業執行の大原則であろう。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?