備忘録 22-09-13
内言(ないげん)は出ださず、外言(がいげん)は入れず
――内言不出、外言不入
『礼記』
「内言」とは、家庭内の問題、「外言」とは、仕事の上の問題。家庭の問題は家庭で解決し、外の問題は外で解決し、みだりに外へ持ち出したり、内へ持ち込んだりするな、というもの。
むかしの中国は、女は内、男は外と職務分担がきまっていて、女は外の問題に口出ししない、男は内の問題には介入しないことが望ましいあり方だとされていた。ここに掲げたことばも、そういう思想の延長線上にある。表面だけを見ると、現代の情況とは合致しないように思われるかもしれないが、必ずしもそうではない。
たとえば、「外言は入れず」である。なぜ外の問題を家庭に持ちこんではならないのか。言うまでもなく、女房が表の仕事に介入することによって、好ましからぬ影響が生まれてくるからである。これは現代でもしばしば見かける光景であろう。とくにリーダーはこういう面でも自戒が望まれるということだ。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
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