備忘録 22-12-31
窮すれば則ち変ず、変ずれば則ち通ず
――窮則変、変則通
『易経』
事態がどん詰まりの状態までに状態にまで進むと、そこで必ず情勢の変化が起こり、そこからまた新しい展開が始まる、というのだ。『易経』によれば、これが人間世界を貫く不変の法則だという。たしかにそうであるにちがいない。
われわれの処世でもっとも気になるのは、窮したとき、つまりどん詰まりの状態に陥ったときの生き方だ。相当な人物でも、ここで取り乱したり、ヤケを起こしたりして進退を誤ることが少なくない。『易経』のことばを信ずるなら、そんなときこそ、あわてないで情勢の変化を待てばよいのだ。
ただし、指をくわえてただ待つのではない。『易経』のことばを借りれば、「君子は器を身に蔵し、時を待ちて動く」なのである。つまり、能力(器)を磨き、それを身に蓄えながら満を持しているのだ。
こういう待ち方をすると、必ずや情勢の変化に応じて新しい展望を開くことができるにちがいない。
以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より
今日も一日顔晴りましょう。
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