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備忘録 22-12-01

智は禍(わざわい)を免(まぬが)るるを貴(たっと)ぶ

――智貴免禍

『三国志』

智謀、智略など、「智」ということばから連想されるのはすばらしい頭の冴えであり、切れる人物のイメージである。たしかに、そうにはちがいないのだが、しかし、ほんものの「智」とは、派手に目立つようなものではないようだ。たとえば、倒産しそうな会社を建て直したというような誰にでもそれとわかる「智」は、智は智でも、まだレベルの低い「智」であるらしい。

それを語っているのが、表題のことばである。「智」の重要な働きは、禍を免れることにあるというのだ。つまり、倒産会社を建て直すよりも、会社を倒産の危機に至らしめないように経営する、これこそが、本物の「智」なのだという。

だから、こういう「智」は大向こうをうならせるようなものではなく、ありようとしてはきわめて地味なのだ。組織のリーダーに必要とされるのは、じつはこういう「智」なの である。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

今月も宜しくお願いいたします。

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