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備忘録 22-10-05


三十六策、走(にぐ)るをこれ上計とす

――三十六策、走是上計

『南斉書』

 ふつう、「三十六計、逃げるにしかず」と言いならわされているが、元をたどると、こういう表現であった。南北朝時代に活躍した檀道済(だんどうさい)という将軍の戦いぶりを評したことばだという。

 三十六策とは、たくさんの戦略戦術である。そのなかで、なぜ逃げるのが上計(もっとも上手な戦い方)とされるのか。勝てる見込みもないのに、当たって砕けたのでは、元も子もない。勝てぬと判断したら、さっさと撤退して戦力を温存する。そうすれば、勝てるチャンスはまたいくらでもめぐってくる、という発想に他ならない。中国人は、むかしからこういう戦い方を得意としてきた。

 情況が不利な時に、しゃにむに突撃して玉砕してしまったのでは、体が幾つあっても足りない。そんなときは、やはりひとまず撤退して、つぎの戦いに備えるのが賢明であろう。これは、人生の生き方にも経営戦略にも、そっくり当てはまるかもしれない。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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