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備忘録 22-10-22

木は縄に従えば則ち正しく、后(きみ)は諫めに従えば則ち聖なり

――木従縄則正、后従諫則聖

『書経』

 「縄」は、墨縄(すみなわ)である。と言っても若い人にはピンとこないかもしれない。大工さんが木材を切ったりけずったりするとき墨を引いた道具である。この墨縄に従って製材すればまっ直ぐな木材がとれる。それと同じように、君主も臣下の諫言に耳を傾ければ立派なトップになることが出来るというもの。トップには「争臣(そうしん)」の必要なことを語ったことばである。

『書経』諫諍(かんそう)編に、つぎのことばがある。

「昔、天子に争臣七人あり、無道といえどもその天下を失わず。諸侯に争臣五人あり、無道といえどもその国を失わず。大夫(たいふ)に争臣三人あり、無道といえどもその家を失わず。士に争友あらば、身、令名を離れず。父に争子あらば、身、不義を踏まず」

してみると、トップだけではなく、どんな立場の人にも「争臣」が必要だということになる。かれらの諫言に耳を傾ければ、過ちを少なくすることができるということだ。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

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