〜この一年を振り返る。スポットバイト体験記 その1
これまでブログ投稿が続かなかったのは〈noteが何故か明朝体からゴシック体への変更ができなかった〉ところによるのが大きいかも。
前置きはさておき、1年半前から財政難(要は困窮化。見栄張ってます)のため、アルバイトを検討し始めた。
2012年12月、会社員を辞める段階で「10年以内に出版サービスヴィレを軌道に乗せる」と決意した。そして10年後。現状はそのようにならなかった。コロナ禍、そして同居していた父の他界によるところが大きい。
正直なところ、弱みを見せてはいけないのだが、あえて表に出して行きたい。
2022年秋頃、年明けから副業(アルバイト)を入れることを考えはじめた。
①レギュラー②スポット③フードデリバリー④フリーランス宅配の4つに絞った。ネット記事やYouTubeなどを貪るように見ていた。
③はUberEatsや出前館などだが、本業の時間確保にはいいが、いつ仕事が来るか分からない。天候不順の日の出動が多いだろうし、ちょっと辛い。④はかなり過酷。本業じゃないと務まらない。残るは①と②。派遣バイト大手のF社に登録した。すると営業の方から電話が掛かってきた。「月80時間以上勤務しないとレギュラーは不可」とのこと。②のスポットでやっていくことに決めた。スポットは最低時給1,000円程度の案件が多いが、本業への時間とエネルギーを削らないためにはこれがいい。10年も外で働いていないから、あちこちの現場をお試しで乗り切れば何とかなるだろう。
同時に車買い替えも行った。15年間愛用していたコンパクトカーとおさらばし、父の遺産でN-Boxを買った。乗り心地・装備・燃費、どれをとっても軽自動車とは思えないほどの素晴らしさだ。
2023年1月下旬にスポットデビューした。
最初の現場は宝塚の食品工場。コンビニ野菜のピッキング積み出し作業だ。5時間勤務で内容はシンプルだったが、現場に居るだけでもシンドい!10年のブランクがあるし。
次は自宅から自転車で10分程度のパン工場。最初はパン箱の整理だったが、2日目、3日目からは製造ラインに配置された。シンプルだが、間のない仕事なのでとても辛い。自宅近くの現場だが、時給1,000円は割に合わない。
その次はJR尼崎駅近くにある大手宅食会社の工場。自宅から現場近くのパーキングまで車で25分、いよいよN-Boxで乗り回す時が来た。
時給1,300円で綺麗な建物の現場だが、こちらも食材投入の2、3時間ぶっ通しの製造ライン。これも想像を超えるシンドさだ。しかもお手洗いに行く間もない。とにかくヘロヘロだ。
お次は一日のみだが、尼崎のイオンへヤマダ電機が一ヶ月後に出店するということで、そのデバンニング作業と商品棚作り。トラックから積み出し、小型の台車で二人がかりで重い荷物を500㍍ほど引っ張る作業だ。これも過酷。
次の日は尼崎・出屋敷近辺の大手ドラッグストアの物流センター。ちなみに現場監督が若い女性だったのにはちょっと驚きでした。投入されたドラッグストア商品を、いわゆるポケットに溜まった商品をミニオリコンに入れてコンベアに流す作業だ。これも息つく間もなく疲労困憊!
とにかくしんどくてもいいから、予定している曜日にバイトを入れたい。
F社に登録し、希望職種、地域、時給などを選択したらページに案件が数10件ほどアップされる。ポチっと申し込むだけだ。しかし案件が決まらない日もあるので、ちょっと焦る。そんな時、サイトだけでなくF社からのメール案件で現場が決まった例もある。
川西の多田での住宅差押えによる荷物整理作業。これは楽だった。3時間の予定が2時間で終わるも、ちゃんと3時間分の賃金をいただいた。
そうしてるうちに伊丹・宝塚・川西・豊中・池田での案件が少ないことに気づいた。自宅近隣の現場にこだわっていれば、案件はほとんどない。
新愛車N-Boxでドライブがてらあちこち乗り回し、遠くでも楽しんで出勤しようと思うようになっていた。
気分が滅入るのが、駅近くでマイクロバスに乗り込み、海沿いの大型物流センターにある現場に向かうこと。のっけから殺伐とした雰囲気で、どこかの収容所へ行くような気分だ。まともな案件がなかったりする。
それが尼崎の海沿いの大物流センターだ。できて2年ほどの綺麗な建物だが、現場の社員は元ヤン風。一緒にいた初老のスポットの人が挨拶しても知らんふり。しかも朝礼では「俺は今日現場から離れるけど、ちゃんと見てるからな!動かへんやつは切るからな!」。いきなり不快な気分だったが、そいつは梶原一騎を小柄にした男で子供のような声だったので、ずっと吹き出しそうだった。ビールのケースを運んだりして、ここでも一日ヘロヘロだった。こんな現場二度と行くか!と思わせる現場だった。
その次は西宮浜にあるホームセンター商品のピッキング作業現場だ。ここは社員が半数以上を占めており、一度もドヤしたり、罵声もない上品な人ばかりだ。重い荷物を運ぶこともなく、肉体的には楽だった。いい現場だ。しかし、仕事以外で全くコミュニケーションがなく、息が詰まる。しかもピッキング作業は複雑。似たような商品ばかりで間違えて商品を抜いたりする。翌日にはバイトリーダーの兄ちゃんに「豊田さん、昨日間違えてましたよ」とよく注意される始末。
あちこちつまみ食いのようなスポット仕事だが、最初の1、2ヶ月の経験でも大いに勉強になった。
物流系の仕事だけでも殺伐とした現場、ガラの悪い現場、上品な現場など会社によって様々だ。
もちろん本業ありきだが、生活費を稼ぐためには仕方のないこと。ちょっと離れて別の景色も見るのも人間としての幅を広げるのに役立つだろう。