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沖縄から台湾へ:八重瀬の伝統芸能と観光振興にかける思い

先日、台湾で開催された台北国際旅行博「ITF 2024」に、沖縄県八重瀬町から民俗芸能団体「八重瀬歌舞団」が出演しました。本事業は、沖縄の芸能に対する認知度や理解を深め、観光誘致を促進する目的で、沖縄県文化振興会が沖縄県より受託し、文化団体の活動機会の提供として派遣されたもの。

沖縄県文化振興会と東武トップツアーズ株式会社が連携し、「八重瀬の祈り(UMUI)―暮らしと文化に寄り添う旅―」というテーマで旅行商品を企画し、プロモーションの一環として台湾で紹介されました。

 ITF 2024への派遣にあたり、当初は台湾側で企画した別のイベントにも「八重瀬歌舞団」の派遣を受け入れる計画がありましたが、僕の力不足で実現には至りませんでした。

 それでも歌舞団の皆さんは海外での八重瀬地域の認知拡大への強い思いから、賛同者の寄付により不足分の旅費を補い、多くの荷物を携えて台湾でのプロモーション活動を行いました。

 昨年の実績によれば、台北国際旅行博ITFには104の国と地域から観光機関や企業・団体が参加しており、日本ゾーンには70団体が出展しています。OCVBの協力で、沖縄の文化紹介として、ITF 2024のメインステージおよび日本ゾーンのイベントステージに団体出演枠が確保され、実現に至りました。

「八重瀬歌舞団」の拠点である八重瀬町は、2006年に島尻郡の東風平町と具志頭村が合併して誕生した地域で、豊かな歴史・文化・自然が特徴です。
日頃から地域の結束と文化継承に努める団体は、神聖な存在である村の守り神「獅子加那志(シーシガナシ)」を地域外で紹介するために、交流獅子を台湾に持ち込みました。

 志多伯の豊年祭は、旧暦8月15日の「八月十五夜」に行われる沖縄南部八重瀬町志多伯の伝統行事で、約300年の歴史を持ちます。五穀豊穣や無病息災を祈り、2024年は13年忌にあたるため6年ぶりの開催となりましたが、旧暦8月16日(9月18日(水))台風14号の影響で予定されていた夜の村芝居は中止となりました。

今回の10月31日の渡航も、台湾に台風21号の暴風警報が発令されていたため、渡航が危ぶまれましたが、団体は家族や関係者の協力のもと準備を整え、無事にEVAAir113便で台湾に到着、演出が実現しました。

舞台は、幼少から受け継がれ、洗練された舞の他にも、ヌンチャクや獅子などの迫力ある舞台、そして鮮やかな着物や、生活を想像させる道具や踊りなど魅力が満載でした。
地域のイメージにつながるように、舞台のLEDを活用できたらもっとかっこよかったです。

沖縄県では第6次沖縄県観光振興基本計画に基づき、沖縄が持つソフトパワーを発揮し、「世界から選ばれる持続可能な観光地」の実現を目指しています。しかし、地域によって文化事業に割り当てられる予算に偏りがあるため、十分な周知活動ができていません。今後、誘客の仕組みづくりなど、民間の協力も含め、継続した支援が必要になると思います。
文化機関からの支援は受けたが、不足分を個人、団体負担で行われた今回の取り組みを検証し、将来的には改善が必要だと感じます。

 また、台湾でのプロモーションでは、地域特色に焦点を当てた取り組みの重要性も感じました。今回実現できなかったものの、八重瀬の食文化、泡盛、工芸、歴史的な人物など、八重瀬地域の多面的な魅力を広めるため、今後、台湾の地域間とのつながりを強化し、ゆとりを持った準備期間を経て発信の機会を作っていきたいと考えています。

過去に交流事業で台湾の団体を八重瀬に連れて行ったけど、こんな感じで相互交流をまた出来たらいいなと考えています。

高貴で尊厳を象徴する霊獣「獅子」と共に、八重瀬の地域を守る「八重瀬歌舞団」は、祈り(UMUI)とともに、暮らしと文化に寄り添う旅をご提案しています。この時期に沖縄を訪れる方は、ぜひご参加ください。


八重瀬の祈り(UMUI)―暮らしと文化に寄り添う旅―

ツアー出発日:2025年1月24日(金)
日帰りツアー:2025年1月26日(日)
ツアー問い合わせ先:東武トップツアーズ株式会社
メール:tttokinawa@tobutoptours.co.jp
TEL: 050-9001-9778

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