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音楽の楽しみ方について

ここひと月くらい体調がイマイチなこともあり(重篤な病気ではないし精神的とかお年頃的なものでもないのですが)、過去を振り返ってこの先どうしていこうかな…みたいなことを考えたりしていました。

2年前くらいから『ベストヒットUSA』を観るようになった私は洋楽をまたたくさん聴くようになりました(十代の時に洋楽に目覚めてアメリカのチャートを扱ってるラジオ番組をひたすら聴いていたことがあったのです)。そうやってまた改めて洋楽のアルバムを聴いたりMVやライブをYouTubeで観たりしていたら、なんというかとっても楽しい!という気分になったんですね。何も考えずに純粋に楽しめる、というか。

私はここ数年、ライブやフェスによく行くようになったのだけれど、実を言うと少し前から公演をそれほど楽しめない感じになっていました。それはうちの事情的に夜に家をあけづらく、夕方からのライブに行くとなるとその前後の手配の大変さが勝つから、だとか、そもそも会場が遠くて時間かかるから行き帰りが大変だとか、金銭的にも最近の公演は金額が上がってきてたくさんは行きづらい、とか複合的な理由もあるのですが。

それに加えて今の日本の音楽シーンはアルバムを出すだけでは成り立たないので、本当に毎日あちこちでライブが開催されています。いろんなミュージシャンが出すそういう告知などを毎日毎日見続けているうちに、だんだんと食傷気味になってきました…(もちろん必要に迫られてやってるというのはわかるのですが)。自由に出かけられるなら出かけられるで観る公演の取捨選択に困るでしょうけど、どの告知を見ても行ける公演がほとんどないのに、そういう情報を見続けるのは自分で自分に追い打ちをかける行為なんじゃないか?と思い始めました。

なのでSNS的なものでそういうライブ関連の情報を見るのはもうやめよう、と決めました。そもそも私はラジオやアルバムをひたすら聴いてただただ自分の世界の中で音楽を楽しみたい、という超インドア派です。もちろん今までいろんなレポートを書いてきた通り、ライブは行ったら行ったで本当に楽しい。ライブでしか体験出来ないものも確かにあります。行ったことのない人にはぜひ行って欲しい!というのも本心です。が、ライブっていろんな意味で格差があるんではなかろうか?ということに気付いてしまったのも確かです。

たとえば私の場合なんかもそうだけど、他には地方に住んでいてアーティストに公演に来てもらえない、とか、身体に支障があって会場まで行けない、とか、そもそもお金を自由に使えない、とか、子育てをワンオペでしてる、とかいう人はライブに自由に行けない。しかし一方で全国ツアーの全公演を追いかけられる人もいるし、また、公演を観るという行為自体も一番前で観るのと一番後ろで観るのとではだいぶ印象が違いますよね。つまりライブってどうしても個々の体験に差が出てしまうものなんじゃないかと思うわけです。

ライブにたくさん行くようになってからこういう格差があることに徐々に気付き始めてモヤモヤしたものを感じるようになり、なんだか楽しめなくなってきた、というのもあると思います。東京でしかやらない公演を一番前で観れた!ということがあったとて、私はそれを手放しで喜べないのです。なぜなら私はどう考えても社会的に弱者側にいる人間なので、強者側にいる人間たちの、"自分さえ良けりゃいい"という思考がとても嫌いなんです。だから良い思いをしたとしても完全には楽しめない。

ゴッチさんがグラストンベリーかなんかのフェスを観に行って、富裕層が楽しむフェスみたいになってる、という感じのことをどこかで書いていましたが(ニュアンスはも少し違うかもしれないけど)、日本もそうなりつつあるようにあるのは危惧すべき点ではないのかなあ、と思います。とにかく私はありとあらゆる格差や差別に反対なのです。

というわけで…いろいろ思うところを書いてきましたが、結局何が言いたいかというと、ライブは当面行かないという方向、という話。もちろん好きなミュージシャンがアルバムを出せば聴くだろうしテレビに出れば観ると思う。ただ、自分の精神安定上、公演に関する情報は当面シャットアウトしたいな、と。しばらくは洋楽を楽しんで聴く、ということに専念したいし、他に好きなこともたくさんあるので(読書とか映画とかぶらり旅とか)、そっちに焦点を合わせて過ごしたいと思っています。

その辺りについて面白いことがあればまたここに書くかもしれませんが、まずは前のように元気に遊びに出歩けるようになるのが目標。ちなみに最近撮った写真を記事の見出しにしようと思ったんだけど、風景を楽しむ余裕もなかったので写真も全然撮れてないのでした。というわけで写真は昨年の秋に撮ったもの。早く紅葉が見たい!

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