田島貴男弾き語りツアー2023@東京国際フォーラム
4月2日に田島貴男弾き語りツアー東京公演に行って来ました!実際ライブに行くのは昨年の12月以来なので楽しみにしていました。とりあえずライブに行く心構えとして体調は万全な状態で行こう、ということには全力を傾けるけど、公演内容についてはあまり想定したり期待したりせず、フラットな状態で観ることしています。セトリは観る前に絶対知りたくないタイプでもあります(但し田島さんの公演に限る。他のミュージシャンに関しては別にそこまで気にしない)。
さて、開演10分くらい前に会場に入って席に座るとあれ?いつも開演前に流れているBGMがありません。ちょっと記憶にないけど例年国際フォーラムではそうだったかなあ?などと思いました。また、今日の模様は例によってライブ配信されるためにステージ前にはカメラが設置されていました。ところが開演直前に若いスタッフがそのカメラを持って構えはじめたので「えっ、今回は定点じゃないの?!Σ( ゚Д゚)」と思いました。その後ステージを観てる間はもうカメラマンのことは気になりませんでしたが、配信を見たら観客席の方も撮影していたりしてそれには全く気付きませんでした。
ということで1曲目!何を歌うんだろ?とワクワクしていると、田島さんが歌いはじめた曲は頭の中の回路のどこをどう辿っても思い当たるフシはありません。はて?誰かのカバー曲?井上陽水??しかし一曲目にカバー曲を持ってくるのも考えづらいなあ、と思っていました。後からの田島さんのMCによればなんと即興で歌った曲だそうです!(ある程度の準備はしてあっただろうとは思うけど)。その曲を聴きながら私が頭に描いた光景は日本の春…それもちょっとバンカラな高下駄に学ラン(けど花を口にくわえてる!)みたいな春模様。花の名前の羅列も印象的でした。この曲を発表する気はないようなので残念。仮タイトルは「春を通りこして」ということでした。
続いては新しいアルバム『Music,Dance&Love』からの一曲。エレキギターで「フェイバリット」(ちなみに1曲目はリゾネーターギターでした)。今回の田島さんの衣装は白いネックのシャツに黒いスーツ。公演をよく観に行ってる人にはおなじみですが、右足でフットストンプを踏み、左足でタンバリンを踏む、というスタイル。この曲はギターもさらに難しそうでした。歌いながらギター弾きながら両足で交互にステップ踏みながらのステージに相変わらず半端ないなあ~!と思いました。
3曲目は往年(?)のファンにはおなじみ、「朝日のあたる道」。アップテンポで自然に沸き上がる拍手&声援。大いに盛り上がりましたが、歌い終わって「後は地味に行きます!」と言ったのには笑っちゃいました(笑)続く4曲目が最初のハイライト、キタ━(゚∀゚)━!と思ったところ。アルバム『ラヴァーマン』に入っている「クレイジアバウチュ」。アルバム『ラヴァーマン』が出た頃にはマメに演奏していた曲ですが最近はやってなかったし、アレンジが原曲と全然違うので最初は何の曲だか気づきませんでした。
元々はも少しテンポも速く、軽い感じの曲なのですが、今回はボサノヴァとまでは言わないけどテンポもスローで歌声も抑えたしっとりした感じの「クレイジアバウチュ」になっていてそれがとても良かったです。サビも何度もリフレインしていてじーん…(T_T)としました。続いてはニューアルバムからの曲、「忘れな草」。そうだ、ここのMCでニューアルバムがCDショップ大賞にノミネートされたことなどに触れ、また応援してくださるファンが増えてきて嬉しい、と言っていました。この5曲目はまたハイライト!と思ったところ。なぜならこの曲はおそらく初めてライブで聴いた曲だから。そして足の動きも途中までは交互で、途中からは片方は連続で片方は一拍休んで…みたいな離れ業をやっていていつもながらすごいなあ、と思いました。
さらに次からの3曲もハイライト!と思ったところ。曲は「アポトーシス」。こちらは『ビッグクランチ』というアルバムに入ってる曲で、アポトーシスとはなんぞや、という解説からしてくれました(ここでははしょりますが)。これがまた良かったー!!この曲はすごく場景が浮かぶ曲なのですが、さらに次の「ショウマン」もその次の「夜の宙返り」もそういう曲です。「ショウマン」も『ビッグクランチ』に入ってますが、この曲はあのSuchmosのヨンスくんがOriginal Loveのカバーアルバム『What a Wonderful World with Original Love?』でカバーしています。結構ボーカルで聴かせる曲なのだけど、そこを真っ向からボーカルでカバーしてきたヨンスくんはすごいな!と思ったものでした。
そこからの「夜の宙返り」は前奏聴いてこれやってくれるんだ!(びっくり!)と思った曲。涙しながら聴いていました。原曲も良いので聴いたことない人は是非聴いてみて欲しいのであります。潮の満ち引きのような原曲のピアノ演奏のとこをギターのアルペジオでやっていて、そこも良かったです。この曲は『街男 街女』というアルバムに入っています。ついでに言うとそのアルバムに入ってる「鍵、イリュージョン」もめちゃ名曲なのでぜひ。どうしても「接吻」しか知らない、みたいな人が多いように思うのですが、Original Loveは他にもたーくさん良い曲があります。アルバムが素晴らしいんであります。
9曲目はエレキギターに持ちかえての「プライマル」。私は実際観に行ってさらに翌日から配信のアーカイブを観たのですが、アーカイブ観てこの曲になったときに初めてあれ?そういえば今回「接吻」やってなくない?と気づきました。いつもこういったツアーでは必ず「接吻」をやっているように思いますが、聴きたければ夏のバンドツアーに来てね!ということなのかもしれません。ちなみに私は公演中そのことに気付かなかったくらいなので、レアな曲をやってくれた嬉しさの方が勝っていたのだろうと思います。
さて、続いては会場にいるお客さんからお題をもらって田島さんが即興で歌を歌い演奏する、というコーナー!!今回そういう自分いじめ(?)をこのツアーでは課しているようです。お客さん何人かの人がお題を出していましたが、今回チョイスされたお題は"壊れたギター"。なぜ壊れたギターかというと、今回の公演前のリハーサル途中、アコースティックギター(ギルドF-50)のネック部分がバキッと折れたんだそう(!)…という最初に田島さんがしていたMCを受けてのお題なのですね。
まさか最終日にそんなことが起こるなんて…!と田島さんは嘆いてたけれど、公演の途中で折れた方が目もあてられなかったと思うので、もちろん壊れない方が良かったけれど、これはこれで良かったんじゃないかなあ~と思ったりするのでした。でも替えのギターが届いたのは公演開始の30分前だったそうで田島さんはもちろん関係者さんたち全員さぞかし青ざめたことだろう、と思います。何しろ今回のセトリのうち実に15曲がアコースティックギターでの演奏だったし…!リハーサルはほとんど出来なかったようですが、間に合って本当に良かった!
ということで即興で歌い出した田島さん、ギター壊れた、こんな悪夢のようなことがあるけどこれがライブミュージックだ!と歌っていました(笑)最終的には斉藤和義さんを取り上げ(お二人は同い年)、和義くんはギルドの良さがわかっちゃいない、けど和義くんのギブソンJ-45も最高、めちゃくちゃ高いけど!と歌いはじめて爆笑!(≧▽≦)"壊れたギター"から派生して"和義くんのギター"について歌い、さらに今は何でも高いけど、安いギターでいいから楽しく弾いて歌おう、安く楽しくなろう~♪と締めくくっていました(笑)本人曰く各会場で微妙な雰囲気になるという即興コーナーでしたが、東京公演のは盛り上がったし良かったんじゃないでしょうか?(本人は65点と採点してました)。
さて、11曲目からはよくライブでも歌われていていて、かつ、ファンも好きな人が多いであろう曲のオンパレードでした!曲目は以下の通り(括弧書きしてない曲はすべてアコースティックギターによる演奏)。
11.あたらしいふつう
12.太陽を背に
13.優しい手~Gentle Hands
14.Music,Dance&Love
15.ZIGZAG
16.LOVE SONG
17.フィエスタ(リゾネーターギター)
18.帰りのバス
・アンコール
1.Dreams
2.好運なツアー(ワイゼンボーン)
最後の方に観客にクラップをあおって大いに盛り上がった12曲目は、田島さんが東日本大震災の後に東北でボランティアに参加した時のことを歌った歌です。最近だとトルコ・シリア地震の寄付金を集めるためにTシャツを作ったりと困ってる人に手を差しのべることもよくする田島さんでもあります。13曲目はそんな風に皆で少しずつ優しい手を差しのべようという曲。ちなみ13・14曲目はニューアルバム『Music,Dance&Love』からの2曲。今回のツアーではやはりこのアルバムからの曲が一番多かったです。
16曲目の「LOVE SONG」はデビューアルバムに入ってる曲ですが、他の曲は比較的新しめのアルバムからの曲が多かったような。17曲目は弾き語りと言えど盛り上がる曲でついつい足とか手とか動いてしまいます。低い声で「イェイ」って言ったとこ良かったな!(細かすぎる感想ですみません(笑)。本編最後の曲ではクラップもまた自然に起こり、いろいろあったコンサートが無事終わって良かったなあと思いました。アンコール2曲目のワイゼンボーンでの「好運なツアー」は弾き語りツアーでしか聴けない感じの曲なのでまた聴けて嬉しかった!
しかしこの後半11曲目からの盛り上がっていく空気感…これはライブで体感しないとその良さが味わえないと思われます。口で説明するのはちょっと難しい。そしてやっぱり頭カラッポで聴くのが良いのかなあと。たとえばあの曲はいつやるんだろ?あの曲やってくれるのかな?とかいうことに意識がいってるとその波に乗りづらくなってしまうと思います。どっかの曲で「僕のグルーヴに身をまかせて」と言ってましたが、頭でブレーキをかけてしまうと身をまかせられなくなるのでもったいない気がします。
あと、今回の配信は先ほども触れたけどカメラマンが手持ちで撮影してるために動きのある映像になっててていつもより良かったです。毎度配信アーカイブは好きなアクトだけ繰り返して観る、みたいな見方をしてしまうんだけど、今回はアーカイブ視聴期間中、毎日通しで観ました。今回の公演がいままでの弾き語りのちょっとずついいとこを全部盛りにしたようなすごく良いセットリストだった&田島さんのパフォーマンスも全体的に良かった、ということもあるけど、映像作品としても良かった、ということもあるかもしれないです。
ということでMCで「中高年のヒーローを目指そうかと(思ってる)」と宣言していた田島さん(どこまで本気で言ってるかは定かではないですが(笑)、今回の公演もとても良かった!という感想レポートでした。夏のツアー及び各種フェスで田島さんのライブが聴ける機会があったらぜひ体験してみてほしいです。
あとそうだ、本日4月12日は前述したアルバム『Music,Dance&Love』、ヨンスくんのカバーも聴けるカバーアルバム『What a Wonderful World with Original Love?』や長岡亮介さんとコラボした音源などがアナログレコード化されて発売になりました。レコード好きは要チェックであります!特設サイトはこちら↓