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富士山を世界遺産にしたのは正解だったのか?

未だに熱中症か高山病か、頭がフラフラしている。

今回はちょっとした、河口湖エリアと、富士登山旅行記をつらつらと。

富士山5号目以降の富士山の最も有名なルートは、登っていて楽しい山道ではなかった。
岩肌ばかりで、木々は少なく、砂利道か岩登り。

体力的にも、気分的にも、7号目で下山を決めた。
山小屋から、心洗われる景色が見れたので、ここが私にとっての頂上。

結果として、山頂にいくことなく終わったが、頂上の高さなんて人それぞれだ。

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富士山に登りたい。ふと思い立ち、それなりに情報収集をし、挑んだ。

ネットの情報を見ると、富士山は世界遺産登録以来、外国人観光客でごった返しているらしい。事実、富士5号目は完全な観光地だった。

今回の富士登山の感想を一言で言うと、「違和感」だ。

山小屋は、恐ろしい程の低いクオリティで素泊まり5500円。

いっそのこと、外貨獲得のために7号目あたりに高級ホテルを建てた方がいいんじゃないか?

一泊五万円でも、アジア富裕層は止まるだろう。
そのお金の一部を、環境整備やゴミ、トイレ問題に循環させればいい。

「水のない富士山で、シャワーを浴びませんか?」
と多言語で謳うサービスは、5分で1000円。

富士山5号目で、帰りのバスを待っていると、中国人が飲み残したビール缶を足で踏み潰して小さくした。

ビールが、地面に飛び散った。

睨み付けた。

今思えば、日本語で怒声を上げても良かった。

少なくとも、今の富士山登山関係者が、世界中から押し寄せる観光客に対応しきれていない。そんな風に感じた。

観光地化し、外国人観光客の誘致には成功した。
ただ、その代償として、かつての山岳信仰はケガレ地になっていく。

「『富士山近郊は外国人に乗っ取られた』と地元の人は言っているよ」 ホテルのオーナーは冗談まじりに呟いていた。

富士山を世界遺産にしたことは、果たして正解だったのか。

そんなおせっかいなことを考えてしまう旅だった。

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富士登山の前日、レンタサイクルで河口湖エリアの「母の白滝」を訪れた。

古来、まだ富士5号までの道路がなかった時代、修験者はここで身を清め、穢れを落としてから登ったらしい。

今回の旅で一番美しいと思った。

道草が一番楽しいものだ。

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