「商品の置く場所を変えたら急に売れるようになった」
こんにちは。鈴木貴之です。
本日とある飲食店さんを訪れたのですが、とても印象的な話をされていました。
今まであまり動かなかった商品を置く場所(棚)を変えたら急に売れた
というお話でした。
これって結構あることなんです。
表面的には「動かせば売れるのか」とも聞こえますが、もちろん「動かしたから売れる」わけではありません。
動かして売れるんだったら毎日動かしますよね?
でももちろんそれだけでは売れません。
動かして売れるケースと売れないケースがあるからです。
商品を動かしたら売れたとはどういうことか?
では、商品を動かしたら売れたとはどういうケースなのかと言うと、
今まで目についていなかった商品を目に付くところに動かせば売れる
ということです。
店舗経営者は自分のお店のことを熟知していますので、どこに何が置いてあるかを知っています。
でも、お客さんは知りません。
お客さんが入ってきた時に目線がどこにあるのかをよく観察してみてください。
例えば、この飲食店さんの場合、お客様を観察していたら、ほとんどの場合その商品が元々あった棚を見ていませんでした。
目を引かれていたのはメニューだったり、飲食に関係のあるポスターで、その商品の存在は(目に映っているかもしれませんが)認識の外にありました。
認識されない商品は売れません。
気づいてもらえない商品は売れません。
だって、あることに気づいていないのにどうやって買えばいいのでしょう?
存在を知らない商品は絶対に買ってもらえません。
だから売れないのです。
その方は商品を注文カウンター兼お支払いスペースの横に動かしました。
スーパーのレジの脇に商品棚がありますが、そういう感じのスペースです。
するとどうなるか。
例えばお支払いをする時に現金で払った場合、おつりがあるとそれを準備する若干の間があります。
そういう時に人は手持ち無沙汰になりますので、視線が自然と泳ぐのです。
すると、その今まで売れなかった商品で視線が止まることがあります。その時に初めてその商品があることにお客様は気づくのです。
気づくからこそ興味を持ち、興味を持つからこそ欲しいと思うようになります。
つまり、商品が売れるかどうかは下記の公式によります。
来店者数x商品に気づいた人の数x興味を持ってほしいと思った割合
=購入者数
商品に気づいた人の数が0だと掛け算ですので購入者数は0になります。
これが今まで売れなかった原因です。
つまり、商品があることを知ってもらうのが大事。
もう一つの方法として、
元々多く視線を集めている所に商品への導線を貼る
という方法もあります。
お客様を観察し、ほぼすべてのお客様が視線を向けている場所に「あの商品はこちら⇒」など情報を貼るのです。
すると、興味を持った人はそちらに視線を動かします。そうして初めて商品の存在に気づきます。
この後は先ほどの公式と同じです。
あなたが店舗経営者であれば、お客さんの視線を意識しているかどうか考えてみてください。
もし意識していなければ、意識して観察してみてください。
その視線の先にあなたが売りたいと思っているけど売れていない商品はありますか?
もしあれば、それが売れない理由は商品に魅力がないからです。
もしなければ、そもそも商品に気づいていないことが原因かもしれません。
こういう小さいところからも経営を改善していけます。
商売って、楽しいですね。^^