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ツインクル

子供の頃、このお菓子が大好きだった。

夕方五時四十分頃、近所のスーパーに行くと、仕事帰りに買い物をする母親に会えた。私はお菓子コーナーから好きなものを一つ選び、母親の後ろからそおっと近づいて行く。そして、カゴの中にお菓子を入れた。母親は私に気がつくと、びっくりした顔をして、「○と○のぶんも持っておいで」と兄と弟のお菓子も持ってくるように言った。母親はにっこり、していたと思う。

スーパーで会おうと約束していたわけではなかった。友達と遊ぶのに夢中で、スーパーに行かない日もあった。

スーパーに行く途中の道で、買い物を終えた母親に会う時もあった。私は、残念なのと怒ったのと寂しいのが混ざった気持ちになって、買い物袋をぶら下げた母親を、腕をブンブンして叩き、もう一回スーパーに行こうと訴えた。母親は、応じてくれた。

そんななのに、両親の育て方うんぬんで反抗した時もあるんだから、恐ろしい。

買い物袋の中身を、適所に納めていくのは私の仕事だった。手数と、冷蔵庫を開ける回数がなるべく少なく済むように考えるのが楽しかった。
今、週末たくさん買い物をした時などに、全部素早くしまえるのは、あの時のおかげかもしれない。

テトリスと似てるかな。そういえば母親も、テトリスが好きだった。

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