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おうちでつくろう_04 こ…あれ、怖…くない怪文書
ネコってかわいいですよね。優美な歩きかたと愛くるしい仕草のかたわらで、「絶対に背中を地面につけてなるものか」という堅い意志を示す、くるりんぱ。
愛猫家各位においては、「ネコ」なのか「ねこ」なのか、はたまた「猫」なのか、その表記にまつわる論争すら起きる可能性があるとかないとか…。
怖…くない怪文書 って?
怪文書、と聞くとなんとも不穏な気配を感じますが、セオリーを度外視し数多くのフォントを用いたスタイリングには、力強さを感じます。某パンクバンドのロゴやジャケットのコラージュ手法がいまでも色褪せない理由は、そんなところにあるのではないでしょうか。
#おうちでつくろう 第4回にして、以後今回を超えることはないであろう私見をふんだんに盛り込んだ導入でお届けする今回のテーマは、フォントです。
・対象年齢 : 小学校1年生〜
・学びポイント : 文字に親しむ、作文に親しむ
・用意するもの : 文字がプリントされた紙(新聞、チラシ、雑誌など)、画用紙orコピー用紙、はさみ、のり
Step01 メッセージを考える
さて、どんな不思議文書をしたためようか…今回はAmazonPrimeでヘビロテ中のグルーとコナンの影響色濃く、怪盗になりきることにした模様。
「でも、ひとのをどろぼうするのはかわいそうだからね〜」
あなたはとんでもないものを盗んでいきました。わたしの心です。
ということで、今回は以下の設定で合意しました。
1.怪盗から届く怪文書は、予告状である
2.お気に入りのぬいぐるみを3時に狙いにくる模様
3.親がぬいぐるみを守るために必死に隠したぬいぐるみを、怪盗・子どもが探す(かくれんぼ大好き)
まだ複雑な設定はむずかしいかな…というお年頃のお子さんでしたらば、パパ・ママ、じぃじ・ばぁばへのお手紙などがおすすめです。
Step02 メッセージに使う文字を探す
メッセージが決まったら、新聞やチラシ、雑誌を広げて必要な文字を探してもらいます。
「この文字、カクカクしてるね」「さっきの字とちがって丸いね」「この字、あの本に書いてある字に似てない?なんだっけ…えーと…」などと働きかけていくと、文字探しは一旦中断され、フォントを巡る冒険の始まりです。
なお、大人を読者に想定した紙媒体が中心の場合、意外と必要なひらがな・カタカナが見つかりません。あちらこちらの棚をあさった結果、後で読もうと思っていた雑誌がターゲティングされるに至りますが、子どものうれしそうな「あ、あったー!」には太刀打ちできませんのであきらめましょう。
裏を返せば断捨離にも通ずるワークですね。ちょっと後ろ髪を引かれますが、でも後で読もうって読まないですからね、まぁ数文字欠けても読めますしね…。
そんな自己暗示はさておき、はさみに慣れる最中のお子さんにとって、切り出す作業は楽しくも大変だったりします。メッセージの文字数は少なめスタートがおすすめです。
Step03 文字を切り取る
メッセージに使う文字が決まったら、はさみで切り取っていきます。
四角、丸、三角など輪郭にバリエーションを出すと退屈せずに取り組みやすいよう。
はさみと親しむワークは、以下のnoteで詳しくお届けしています。もしよろしければ。
Step04 切り取った文字を画用紙に貼る
文字を切り取ったら、台紙にのりで貼りつけていきます。
文字が小さいと、切り取った紙が台紙ではなく手についてしまいがちですので、見出しなどのサイズが大きい文字を狙うのがおすすめです。
貼りつけ完了!
貼りつけは完了ですが、子どもにとっての遊びはこれからが本番です。
怪盗からエモノ(かえる氏)を隠すように迫られる、謎の構造。これこそが真の怪文書というわけか…!
隠す際は、はじめは見つけやすいところから、徐々に難易度を上げていくと興奮のボルテージも比例して高まっていきます。
怪盗なのにどたばたと探しまわる、謎の構図。これこそが真の ──
Step05 もうひと声、遊んでみよう
便乗&結託して、寝かしつけ後のパパに向けての怪文書を一緒につくってもらいます。
パパには早々にバレました。「これ、仕込みでしょ…」。
楽しそうな子どもに触発され、本記事担当メンバーも勢い余って文書をしたためてみました。
かわいい…。
手の込んだ心情の吐露、これこそが真の(もういいですよね、失礼いたしました)。
まとめ
絵本に図鑑、教科書やプリントを通じて子どももよく目にしている文字。今回のワークを行ってからは「この字はなんで他の字よりも太いの?」と聞いたりする機会が増えてきました。
遊びを経て新たな目線が身につく、そんな図工・美術ならではの体験をこれからも提供しつづけられるよう、わたしたち自身もアップデートしていかなくては、ですね。
ちなみに、文字の観察といえばおすすめしたい書籍が「欧文書体」シリーズ。
https://store.shopping.yahoo.co.jp/artloco/542322.html
あまりに著名ですが、すこしでも文字に興味をお持ちになられた方、書体沼にハマられたい方で未読のようでしたらぜひ。
小林章さんによるタイプデザイナーさんへのインタビューは大変読み応えがあり、「こういうときにこの書体が適しているよ」と言った(意外とめずらしい)作者談にも多く接することができます。
ちょっと疲れたときに、パラパラとめくりながら美しかったりかわいかったり、様々な顔つきで街に溶け込む書体の写真を眺めるもの楽しいですよ。
さて、この状況下で、ご家族で過ごす時間が格段に増えている方もいらっしゃることでしょう。子どもとのワークだけではなく、「コーヒー いれようか」などと普段の会話にも怪文書を取り入れてみると、思いがけない笑顔が生まれたりすることもあります。
在宅ワーク中のちょっとひと息として、お役に立てれば幸いです。