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【#004後編】デザイナーから鞄職人/肉球が皮革業界を救う/技術力研鑽で個展開催

― キノシタレザー 木下野絵さん ―【後編】

今回は、キノシタレザーでオリジナル製品も製作されています木下野絵さんにお話をお伺いします。
今回は後編。(前編はこちらから

<ピックアップインタビュー音声>
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前編のつづき

(細川)このAirタグケース、名前が『pawpads(ポーパッズ)』ということですが、ネーミングが秀逸だと思っているんですよ!ロゴもすごくかわいいし。

(木下)本当ですか!ありがとうございます!

(細川)ロゴはどうされたんですか?

(木下)友だちに頼んで、こんな感じでって。

(細川)えっ、じゃぁ、もうイメージがあって、それを伝えたってことですか?

(木下)はいそうです。

(細川)そもそも『pawpads(ポーパッズ)』って、どういう意味なんですか?

(木下)肉球という意味です。そのままです、英語で肉球という意味です。

(細川)へぇ、知らなかったです。そういう言葉があるんですね!すごくいいですね!響きもかわいいし、また丸くて小さい商品イメージとも合いますね!ロゴも肉球って感じで本当にかわいい!!

pawpadsのイメージポスター

(木下)百貨店でディスプレイするような職業の友人なんですけど、意図をくんですごくかわいくロゴを作ってくれました。気に入っています。

(木下)その友人が、ディスプレイの仕事をくれたりするんですけど、デニムであったり。そういった革以外の素材にもチャレンジしていきたいですね。(笑)

(木下社長)いいんじゃない!?どんどんチャレンジすれば!!
そういった仕事の様子も、色んな人に知ってほしいね!!

(木下社長)もっと、自分たちの活動をアピールすればいいんじゃない!?

(細川)まあ、そういったところを深掘りするのが、私の仕事ですよね…。商売は知ってもらってなんぼ、というものですしね。

(木下社長)そうそう!!

(木下)まわりからは、何でも作れるね!って言われるんですけど、自分ではまだまだだと思っていて…。

(細川)それ、わかります!!私もこの年までずっとそう思ってました。というのも、自分のできることって限られてるし、やろうと思えば誰でもできるやん!って思っていたんです。そしたら、先輩から、調べたらわかること、時間をかけたらできること、それができないから困っている人が多いんだよと。その人達からすればお金を出してもやってほしいことがあるんだと。できるかできないかは、自分で決めることではなくって、相手が決めることだと聞きました。私なんかが偉そうには言えないんですが…。

(木下)お隣がカフェなんですけど、仲良くさせていただいてまして。カフェでギャラリーをやっていらっしゃるんですよ。絵画とか写真とか。そこでそのオーナーに依頼されてレザークラフトのワークショップをさせていただいたりしました。

(細川)えーー!!いいじゃないですか!

(木下)完全に私の趣味の域を超えていないんですけどね。

(細川)でも、それがきっかけで広がればいいですね!!

(木下)はい!そのカフェが広げてくれているんです。将来的には個展をやらせていただけたらなぁと思っています。作品や準備は今からなんですけどね。

(木下社長)そうやって、自分でやりたいことを宣言して、その目標に向かって進めていくのがいいんじゃない!?私もそれが大事だと思うよ。

(木下)人気のあるギャラリーなので、スケジュールも埋まっているから早く進めないといけませんね。(笑)

(細川)そうですね!?(笑)
すごく地元のことを考えていらっしゃって、ご理解のあるオーナーさんですね!?

(木下)『ミナート』(minart.jp)というアートと人をマッチングさせる活動を積極的にされています。

(細川)へぇ〜!!!(感心)この活動だけで、1記事書けそうですね!?おもしろ!!
是非、個展を実現させてください。楽しみにしています!

(細川)メルカリショップにpawpadsを出品されているとのことですが、それ以外はどんな商材を出品なされているのですか?

(木下)犬のお洋服とか。ハーネスとか。

(細川)(写真を見て)すごく可愛いじゃないですか!!お散歩用のトートバッグもあるんですね!?いいですねぇ。

(木下社長)夏場に向けて、これからはレインコートやアウトドアテイストのものも出していく予定です。

(細川)ということは、動物関係の商材に特化していらっしゃるということなのでしょうか?

(木下)いえいえ、きっかけがそうだったということで、特にこだわっているということではありません。でも、社長はワンちゃんを飼っていますし、私のところにはネコちゃんがいるので、身近であったことは確かですね。

(細川)そうなんですね。メルカリショップの売れ行きはどうですか?

(木下)ぼちぼちですね。(笑)

(細川)メルカリショップに出品されている理由はあるのでしょうか?

(木下)メルカリというアプリが既にあって、それを利用する人は目的のものや、何かないかと探されている方たちなので、宣伝しなくていい、というのが一番大きいですね。BASEよりも売れています。

(細川)すごいですね!お金をかけずにそれだけ売れて反応があるというのは。

ー ここで社長は次の仕事へ ー

(細川)お忙しいところ、ありがとうございました。

(木下社長)ありがとうございます。このあともよろしくお願いします。

ー インタビューに戻る ー

(細川)…緊張しました…(汗)

(木下)(細川)(笑)(笑)

(細川)社長は2代目ですよね!?3代目まで道筋をつけて経営も営業もなさっている社長はすごいですね!!今は5年続く会社が40%、10年続く会社が20%ですからねぇ。

(木下)主人も、私も営業という部分がまだまだで…。

(細川)営業力ってすぐに身につくものでもないですし、目に見えて獲得するものでもないですしね。拓哉さんは、いつからこの業界に?

(木下)社会人になってからすぐですね。

(細川)それじゃぁ、社長がじっくり育ててこられているので安心ですね!

(木下)ただ、性格が社長と主人では正反対と言いますか…。

(細川)違ったタイプだからいいんじゃないですか?社長にしかできないこと、拓哉さんにしかできないことがあるということが、会社としての強みだと思います。

(細川)ホームページの作成等で一緒に拓哉さんと仕事をさせていただきましたけど、口数は少ないながらも、すごく考えていることや、思いは熱いと思いましたね。写真やイメージのこだわりもしっかり持っていらっしゃって。

(木下)クラウドファンディングのページ製作もほとんど主人が作ったんです。

(細川)あの説明文ですか!?すごい文才ありますよね!!
これから、SNSなどで、思いや考えを文字で発信されたらいいんじゃないかと思いますよ!!

(細川)SNSつながりでお伺いしますが、御社のインスタグラム、フォロワー1,000人超えていらっしゃるじゃないですか!?凄くないですか!!??なかなかこの短期間で1,000人は超えられないと思うのですが。

(木下)いえいえ。(照)

(細川)あれは、全て野絵さんが発信していらっしゃるのですか?

(木下)写真や動画は私ですが、フォロワーさんとの繋がりや、アカウントの方向性は主人がやっています。

(細川)なるほど!すごく効果的にリールを使ったりして、うまいですよね!
フォロワー数や、いいね数がいつも多いので、インスタグラムで拓哉さんの思いや考えを伝えて行ってもいいかもしれませんね!

(細川)インスタはいつからやっていらっしゃるんですか?

(木下)クラウドファンディングを始めてからですかね。

(細川)それこそ、短期間であれだけ見ていただいているので、投稿内容や写真、動画に興味のある方に響いているんだと思います。是非、拓也さんの思いを伝えて欲しいですね!

(木下)そうですね。ありがとうございます。

(細川)これは、社長には出来ないことですからね!

(木下)そうですね!それは出来なさそうです。(笑)(汗)

(細川)インスタで何か反響やコメントは今までありましたでしょうか?

(木下)はい、メルカリショップでpawpadsをご購入いただいた方から、インスタにメッセージを下さった方がいて。

(細川)へぇ!!それはよかったですね!?理想ですね!!売って終わりじゃなくて、ちゃんと使っていらっしゃる方からの反応があるのは。どんな方だったんですか?

(木下)ネコちゃんを飼っていらっしゃる方で、おそらく女性の方だと思うのですが、こうやって付けていらっしゃるところを写真でアップしてくださって。

(細川)(写真を見て)めっちゃかわいい!!!!

(木下)このネコちゃんも、家で飼っていらっしゃるのですが、外に勝手にお散歩に出ちゃうこともあるそうで、飼い主さんも不安だったそうなんです。pawpadsをメルカリショップで見つけて、ネコちゃんにも負担がかからないからいいなということで、付けてくださっているそうです。ネコちゃんもAirタグとpawpadsを付けていても嫌がらないみたいで。

(細川)すごくいいじゃないですか!!大成功じゃないですか!!??

(木下)実際にメッセージをいただいて、本当にうれしかったですね!!

(細川)へぇ~!!そういうお声が一番励みになりますよね!

さまざまなカラーの革の切れ端で作ったpawpads

(細川)インスタグラムもフォロワーさんが1,000人との事ですが、どういった方が多いんでしょうか?

(木下)レザークラフトに興味のある方が大半だと思います。

(細川)なるほど。そうなんですね。色んな方にも見ていただきたいですね。

(細川)先ほどのお話で、個展をやってみたいということでしたが、近い将来の目標はありますか?

(木下)そうですね!?何でしょうね!?まずはpawpadsを知っていただくこと、広めることですかね。

(細川)なるほど。では、新しいオリジナル商品、社長は先ほどペット関係のアウトドア服を作るとおっしゃっていましたが、野絵さんは次に何を作りたい、とかあるのでしょうか?

(木下)そうですねぇ…。実は…。モノを作りすぎないことが一番SDGsなんじゃないかなって思ったりすることがあるんです。(笑)

(細川)ほぅ、面白い!!

(木下)何か今まで使っていらっしゃった革製品を回収したりして、それを新たな商品にブラッシュアップして出せないかなぁと。

(細川)なるほど、なるほど!!私たち、革製品って使いっぱなしですものね!ある意味においては使い捨てのようなものですね。

(木下)そうですね。革の手入れとかをもっと学んで、発信していきたいなぁと思います。

(細川)是非、新しい活動も応援したいなと思います。今日は、繁忙期のお忙しい中、お時間をいただきまして、ありがとうございました。

(木下)ありがとうございました。

(おわり)

ー インタビューを終えて ー
現在の社長が2代目となる歴史あるキノシタレザー。インタビュー中も社長に少しではあるがご登場頂いた。私の印象としては、キノシタレザーさんはまさに、日本料理における「炊き合わせ」だと思った。「炊き合わせ」とは日本料理における煮物の一つである。旬の素材を活かした煮物として一つの器に盛り付けるのだが、素材の特性が活かされるよう、出汁も味付けも素材ごとに別々に調理され、ひとつの器に盛りつけられる。別々の味、香り、口触りがひとつの器の中で演出される。同じ食材で作られる筑前煮とは似て非なるものだ。味の優劣ではない。素材の活かし方と調理方法の違いだ。
私に馴染みのある会社像は、素材(社員)はそれぞれ違うが、調理方法や味付け(指示や方向性)は同じであることが多い(トップダウンで行われることが多い)。いわゆる筑前煮だ。しかし、キノシタレザーさんは、方向性を押し付けることなく、それぞれの特性を活かせるフィールドで培ったノウハウをひとつの会社の中で発揮できる環境づくりをされていると感じた。器の中心にある筍や蓮根とともに、絹さやや、麩にも注目したい。そんな会社である。


キノシタレザー(株式会社キノシタ)は革の街、大阪・大国町で1982年に創業。用意できない革は無いというほど、衣料・鞄・靴のみならず、あらゆる有名メーカーを中心に牛原皮を提供している。また、鞄等のOEM製作も手掛け、最近ではオリジナル商品も開発。Apple社から販売されている紛失防止タグのAirタグのケース、革の切れ端で作った『pawpads(ポーパッズ)』を発売。イヌ・ネコなどのペットの見守りや、子どもの見守りにも役立ち、革の切れ端からできていることから、SDGsにも寄与している。
『pawpads(ポーパッズ)』はオンラインショップBASE、メルカリショップにて販売している。

キノシタレザー(株式会社キノシタ)
〒556-0014  大阪府大阪市浪速区大国3-7-13 
TEL: 06-6631-4374

Home Page:
https://sites.google.com/view/kinoshitaleather/home

Instagram:
https://www.instagram.com/noahleather2021/

online shop:
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