#22 ニッシンボー、名前は知ってるけど〜♫
こんにちは、こんちやまんです。
随分と投稿期間に穴が空いてしまいました。最近かなり忙しくて執筆と情報収集の時間が取れなくて…
ただ、「忙しくて時間が取れない」のはできない人間の言い訳に過ぎない。と、どこかで聞いたことがあります。頑張らなければなりませんね(笑)
当ページを閲覧いただき誠にありがとうございます。簿記や会計について興味のある方や、この記事を読んで興味を持ってくださった方は、ぜひ#1から読むことを強くオススメしております。
それでは本編に入りましょう。
ニッシンボー
皆さんは「日清紡ホールディングス(以下、日清紡HD)」という会社をご存知でしょうか?
CMで聞いたことがある人も多いはずです。
さんざんCMでやってるニッシンボー、確かに名前は聞く。ただ、どんなにCMを見ても何やってるかはいつまで経っても教えてくれません。
「何をやっているかを教えないのにCMをやる意味があるのか?」という疑問を持った人に答えておくと、名前だけ覚えて貰えればそれだけでも企業ブランドの価値が上がります。「うちのダンナ、ニッシンボーで勤めてるのよ♪」「えー!その会社知ってるわ!ダンナさんすごいわね!」みたいな井戸端会議が起これば最高です(笑)
業界人にとっては既にとても大きな会社であるため、製品やサービス内容をわざわざテレビでPRすることが必要な戦略フェーズではありません。
少し話が逸れましたが、結局「何をやっているかは知らない」ニッシンボーが何をやっているかについて今日は解明します!
参考資料の紹介
まずは何をやっているか調べるために私が使ったwebサイトの紹介です。上場企業であればだいたいこれで同じ様に調べることができるので、みなさんも気になる企業を調べてみてくださいね。
EDINET
まずは決算資料検索の味方、「edinet」です。
「書類検索」から会社名を入力し、「第〇期有価証券報告」を開くと見ることができます。
金融庁が「金融商品取引法」によって投資家保護の目的で、上場企業の有価証券報告書を5年間分の資料は公開することが義務付けられています。金融庁に提出された有価証券報告書を、edinetというサイトを使って管理、公開をしています。これは投資家でなくても企業を知るために必読すべき資料だと個人的に思っています。
IR資料
IRとは、「Investor Relations」の略で、Investor(投資家)に対して情報を公開する活動全般を言います。企業も投資家に投資してもらうために、どんな事業をやっているのか、将来性はどれくらいあるのか、これからどうしていきたいかをしっかり示すことで自身を持って投資家に投資して欲しいですよね。
ということは、その会社の現状や今後の展望、経営計画など、企業を知るための情報がぎっしり詰まっています。
そして日清紡HDのIR資料が掲載されているページはこちら。
事業内容の紹介
さて、これらのwebサイトを見てニッシンボーが何をやっているのか、事業内容から見ていきましょう。
無線・通信事業
現在ニッシンボーの中で最も規模の大きい事業はこちらです。
・防災システムや監視システムなどの社会インフラの整備
・商船用の電子海図情報表示装置
また、超音波センサーなどを用いて、医療現場で「エコー」に使用されています。
マイクロデバイス事業
微弱の電気信号を増幅させることができる「オペアンプ」。低周波でのローノイズが求められる人感センサーや計測器、マイクロホンに使われているそうです。詳しくないのでよくわからないけどなんか精巧な電子機器を作っているみたいです(笑)
こんなのCMで説明されても困っちゃいますね。
ブレーキ事業
自動車はどれだけ走ったとしても安全に止まる必要がありますよね。ブレーキは摩擦によって車を制止させています。その摩擦材を作っているのがニッシンボー。電子部品作ったり車に関するモノを作ったりと幅広いですね。
精密機器事業
ニッシンボーは戦時中から航空機尾翼の製造も行っています。そのノウハウを活かして、自動車や工作機械など、様々な「モノづくり」を支えています。
化学品事業
高性能な化学品や、環境に配慮した製品の開発、製造を行っています。製品の一つに断熱材があり、低温保存が必要なLNG(液化天然ガス)タンクを保冷するために用いられています。
これらがニッシンボーの主な事業内容になります。
直近の決算状況
さぁ、5つの事業でどのような結果が出ているのか、決算書から見ていきましょう。
連結決算分析
基本的な営業活動によってどれほどの利益を生み出したのかを示す指標として「営業利益率」があります。日清紡HDの最新決算の営業利益率は4.3%です。大企業も中小企業も平均値は約4%です。「ザ・普通」と言った値になっていますね。
C/S(キャッシュ・フロー計算書)から見ても、今は潤沢な資金を蓄えており、固定資産の取得をしたり、借金の返済を進めたりと積極的に現金を動かしていることがわかります。
大企業にほぼ共通して言えるのは健全経営なことです。「安定」というイメージが強く就活における大企業信仰が根強く存在するのも頷けます。
セグメント分析
先ほどまでは日清紡HD全体の利益や資金循環について説明をしましたが、それぞれのセグメント(事業)ごとに見てみましょう。
売上高から見ても、「無線・通信」と「ブレーキ」事業が主力であると言えるでしょう。セグメント別の利益率で高かったのは「マイクロデバイス」と「不動産」事業の5.5%でした。
多くの事業に気になる点はありませんが、「繊維」事業だけ赤字です。日清紡発祥の繊維事業が赤字になっているのは悲しい出来事ですね…。ただ、過去の推移をみるとコロナ禍に陥ってから赤字に転落しているため、中長期的に見てどのように対応していくかに注目ですね。
まとめ
ざっくりと「ニッシンボー、なにをやってるかは知らない〜♫」を解決できたのではないでしょうか。もっと詳しく分析もお話ししてみたいですが、書きすぎると長くなりすぎるので、今後は会社のトピックを決算書から解説できる方法を考えてみたいなと思っています。
最後までのご読了、誠にありがとうございました。気に入ってくださった方は「♡スキ」ボタンを押してくださるとモチベーションになります。また、これからの記事も気になった方はぜひフォローもお忘れなく。
それでは、また。
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