仙台に行ってきたの記(二日目・三日目)
あらすじ
ツイッターで見た『独眼竜政宗』大河ドラマストーリー下巻の洋装政宗公がとても格好良かったので2019年8月に仙台に行って来た。
という動機を持つ二泊三日旅行の二日目を始めたいと思う。
瑞鳳殿へ
二日目の目的地は瑞鳳殿、仙台市博物館、そして青葉城址だ。全て仙台駅前から出ている観光循環バス『るーぷる仙台』で巡れるところなので、それに乗って行くことにした。
『るーぷる仙台』も前日使用した市営バスと同じくSuicaが支払いに使えるので、わたしはそれにした。しかし一日乗車券のほうが券が手元に残るので、買っておくべきだったかも知れない。パンフレットも結局入手しそこねてしまっている。あと料金割引も色々あったようだ。やっぱり買っておくべきだった。
ところで二日目は日曜日とは言え、8月末で現地ではもうすぐ夏休み明けであったのにも関わらず、大勢の人で混み合っていた。わたしが乗車したのは早い時間だったが、時間に余裕を持って行動することの大切さを改めて思い知った。
さて瑞鳳殿は『るーぷる仙台』に乗車して駅から4番目の同名の停車地で降りたところから、さほど遠くない場所にある。停車地から人の波に乗って通りを歩いて行くと、緑の生い茂る山が見えた。この日は快晴だったので、ソルティ・ライチを飲みつつ登った。木々の群生地に入っていくと木陰で日光が程良く遮られ、体感温度はあまり高くはない。しかし坂道は、日頃から運動不足である我が身には少し辛かった。確か登坂用の杖が貸し出されていたが、意地で使わなかった。
瑞鳳殿の手前には瑞鳳寺がある。わたしと同じく瑞鳳殿へ行く途中の人々の多くが参拝していた。わたしも参拝させて戴いた。お寺に参拝することが少ないので、作法が正しかったのか自信がない。今度はもう少し勉強してから行こうと思う。
瑞鳳殿は大人料金550円で拝観できる。共通観覧券には仙台城下絵図が使用され、伊達政宗公の書も書かれていた。手水舎を経て、美しい涅槃門をくぐると政宗公の霊屋である瑞鳳殿と、発掘調査で発見された副葬品などが展示されている資料館がある。
とにかく瑞鳳殿が素晴らしい。現在の瑞鳳殿は1979年に再建されたものだが、装飾が非常に凝っていて、色彩も鮮やかだし、屋根に龍の頭が載っているのが感動する。わたしは黒と赤と金の使われた豪華絢爛な日本建築を観ると興奮する人間なので、そういう色合いが中心になっており、緑などの差し色が非常に有効的に使われているのを観ると息を呑んでしまう。大好きだと確信した。
忠宗公と綱宗公の御廟も政宗公のものに比べれば控えめながらも美しいデザインで素晴らしかった。
瑞鳳殿は四季折々の変化を感じたい、観てみたいと思う場所だった。また是非来たいと思う。
仙台市博物館見学
仙台市博物館は、瑞鳳殿近くのバス停から『るーぷる仙台』に乗ると次のバス停で降り、少し歩いたところにある。
道のりの途中には五色沼というところがある。案内の看板によると、『日本フィギュアスケート発祥の地』ということらしい。そこで羽生結弦選手のファンの方と出会い、ここに羽生選手もいらっしゃったこともあるということを知った。
さて、仙台市博物館には初めて行かせていただいた。博物館見学の際は、展示の内容に注目し、今までに行ったことのある各地の博物館との内容の違いを比較したり、土地の特性を見出すのが好きなのだが、この博物館は室町時代以降からはやはり伊達氏支配についての展示が中心になっている感じがした。そのぶん伊達氏由来の道具類や書状の展示が多く、わたしが事前に伝記で読み、紹介されていた書状が展示されていた時は感動した。なかなか調べている人物本人が書いた書状などを拝見する機会が無かったので尚更だった。また、行った当時は政宗公の家臣のひとり、片倉小十郎景綱がピックアップされてコーナーが作られており、肖像画や旗印を見ることが出来た。定期的に展示替えがされているとのことで、また次に行った時に何のコーナーになっているのか、観に行くのが楽しみだ。
そして、この時の博物館では『戦国の伊達氏』という企画展が開催されていた。伊達氏十四世稙宗公から十七世政宗公までの四名を中心に、伊達氏がどのように発展していったかを紹介されていた。展示の最初に書状に使われた紙の素材や、書状の折り方も解説されており、その後様々な書状が紹介されていく中で文面や書状が書かれた背景を追う上でのヒントとなったのが素晴らしかった。更に政宗公所用の太刀や有名な三日月の前立の甲冑を拝見出来たり、とても楽しい展示だった。
素晴らしい甲冑を暫く眺めた後、レストランで昼食を摂ってから次の目的地へ向かった。
仙台城跡へ
仙台城跡へは博物館脇の道から登って行くことにした。登り口のところには伊達政宗公胸像がある。わたしが行った頃は誰もおらず、静かだったので、暫くお顔を拝してから城跡へ向かった。
仙台城跡は市街地に近い場所にあると思うのだが、なにぶん小高い山の上だ。わたしは普段から履き慣れたスニーカーと、荷物はリュックに詰め、水分補給をし、「これから山登りだ!」という気持ちで登り始めた。が、それでも甘かったと思う。日常的に運動していないので、途中からすぐに息切れしてしまった。道端に休憩のためのベンチもあったが、なんか使ってしまったら〝負け〟なのではないか、登山はあまり休まないほうがいいらしい、という根拠の無い意地と出どころのはっきりしない情報とで、座ることを躊躇ってしまい、結局、宮城縣護國神社の鳥居の前でへとへとになって休んだ。
城跡は護國神社の鳥居をくぐった先にある。建物の間取りを示す置き石を越えると、城下に広がる仙台の街が見えた。この日は快晴で、青空の下に美しい街があった。そして振り返ると、伊達政宗公の騎馬像がある。やはり格好良い。わたしはこの伊達政宗公に会いに来たのだ、来て良かった、来た甲斐があったと感じた。ただ騎馬像は東を向いて建っていたので、午後に来たこの時は西日のせいで写真を撮ったらお顔が真っ黒になってしまった。次に騎馬像を撮影する時は午前中にしようと誓うと、鳥居の前に停車する『るーぷる仙台』のバスに乗って駅前に帰った。
ところで昨日、駅中の本屋さんで伊達武将隊のスタンド付きアクリルキーホルダーを購入したのを覚えておられるだろうか。わたしはあの可愛さが忘れられず、出来れば武将隊のメンバーを揃えたい、あと数人だけでも、と思い、再びあの本屋さんへ向かった。大人気なく店の前でキーホルダーを物色するわたし。わたしはその時目についた茂庭綱元と片倉小十郎景綱のキーホルダーを買った。
三日目
三日目は午前中いっぱいが自由時間だ。わたしは本屋が好きで、旅先で本を記念品として買うのが習慣としてある。
わたしは仙台アエルの丸善に入った。本がいっぱいある空間にいると、それだけで落ち着く。本棚が所狭しとあるのも、かくれんぼをしているようで楽しい。
わたしはその時、古谷田奈月さんの『神前酔狂宴』と、岩波文庫『久米正雄作品集』、角川ソフィア文庫の『小泉八雲東大講義録』を買った。帰りの高速バスでも読書をするつもりだった。こうして読む本を現地調達するのも楽しい。
帰途に就く前に、再びあの駅中の本屋さんへ行ってみた。キーホルダーのコーナーを見てみると、武将隊全員のキーホルダーがあった。これで全員揃えることが出来る! わたしはウキウキして残りの四名のキーホルダーを買った。帰ったら全員揃って飾れるようにするつもりだった。
駅中には他にもずんだシェイクを提供しているお店もあった。帰る前にずんだを味わってみたいと思い、シェイクを飲んでみた。枝豆の粒を感じる食感があり、あんこに近い甘みがある。しかしシェイクになっているだけあって、飲みやすかった。
仙台は都会ながらも緑が多く、静かなところもあって、とても過ごしやすく楽しかった。また是非来たいと思う。
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