歌ってみた録音のお作法あれこれ
といいつつプロのレコーディングエンジニアでも、大物歌い手でもないただのミックス師兼アル中バンドマンな僕です。
オンラインでミックス依頼をされる場合
「こうしてくれたら嬉しいなー!」
と思う事項をまとめようかと思います。
参考にしてネ。(なるとは言ってない)
これだけはやっとけ!
マイクはコンデンサーマイクを使ってる
当たり前な話かもしれませんが、
カラオケのようなダイナミックマイクや
iPhoneのマイクはいろ音を拾いすぎるのであまり適してないです。
どうせならコンデンサーがよいです。
コンデンサー、高いと思われがちですが、最近だと5~8000円程度でも買えるモデルもあります。
もちろんUSBタイプじゃなくて、
オーディオインターフェースに挿せるものがいいです。
https://www.soundhouse.co.jp/search/index?s_category_cd=852&i_type=c
あと以外と忘れがちな点として
コンデンサーには裏表があるタイプがある
というところです。
モコモコ感じるようだったら向きを変えて歌ってみてください。
ボーカルがピーク値越え(音割れ)をしていない
意外とこれも聴いただけでは気づかないかも。
素音源だと問題なく聞こえても
音圧をあげたりすると
わずかな音割れでも目立ちます。
対策として2点を守るといい感じになります。
①オーディオインターフェースで録り音がピーク超えしてないかチェック
音量が最大値に達することを「ピーク」といいます。
ピークに達すると音割れの原因になるので
達しないことを心がけましょう。
ほとんどのオーディオIFはピークに達したか
わかるランプがついています。
この時点で赤く点滅するようなら、
・録音入力レベルを下げる
・マイクの距離を少し離す
・ポップガードをつける
などいろいろ試してみましょう。
かといって
小さすぎてもミックスが難しいので、
「もう2,3歩音量あげたらメーター点滅しちゃうかなー?」
ぐらいの大きさを保てればよいかなーと(諸説あり)
そこはミックス師さんと相談しつつ、場数踏んで慣れていきましょう!
②DAW(録音ソフト)側でピーク超えしてないかチェック
DAW側でも同様にピークランプがあります。
人によってマスターメーター、ピークメータ―とかとも言います。
ここも①同様超えないようにしていきましょう!
ただ、①の時点で割れてなければここは音量のツマミを少し下げてあげれば歌いなおさずとも解決するケースもあります。
雑音の多いところで録っていない
カラオケとかは大きい声出しやすいのでよさげに見えますが、正直NGです。
防音性が店によって差があったり、
反響しやすいので、カラオケ録りは音の輪郭がぼやけます。
個人なら1時間800円前後で、安いところなら600円ぐらいで
音楽リハーサルスタジオが借りられます。
(場所によっては追加オプションで上位マイクも設置してくれます)
参考:サウンドスタジオノア新宿店
https://www.studionoah.jp/shinjuku/price/
部屋も録音前提だったり広すぎないところが多いので適してます。
慣れてないと緊張するかもですが、
大手は店員さんも優しく案内してくれるので、どうせ外で録って数百円の差ならこっちにしましょう!
もちろん自宅でも声出して大丈夫な環境があるならそれでも問題ないです!
外を走る暴走族の音やオカンの洗い物の音には気を付けていきましょう!
あと、エアコンは切りましょう!
と、いろいろ話しましたが基本的にこれを意識していただけるだけで
かなりありがたかったりします。
(下準備段階でMIX師が加工しまくる必要がなくなり、自然な仕上がりになります)
ここからはワンポイント、書いてきます。
これを意識するとちょっといい感じになります。
さらにワンポイント
ポップガードつけましょう
歌ってみたレベルなら正直なくてもごまかしが聞きます。
でもちょっと本格的にやりたいなーって感じならあったほうがいいです
たちつてと、ぱぴぷぺぽ、の音が割れずにハッキリ聞こえます。
値段も2000円ぐらいなのでお手頃です。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/173731/
調べたら100均にあるもので手作りしてる方もいました。(天才だ)
https://polaris-factory.jp/popguard-jisaku/
なしでやるよりかはあったほうが絶対いいと思うので
純正品買うのだるいなーって感じだったらコレでもありかも。
歯を磨きましょう
ちょっと恥ずかしい話、朝に歯磨きして、夜寝る前に録ったりすると
口の中にその日一緒に苦楽を共にしてきた雑菌ちゃんたちが育ってます。
ブレスの時にニチャァ…なサウンドが入ってしまうので、
録る前ちょっと前には歯磨きも済ませとくといいかもです。
正直オケと混ざるとそんなに気にならないものの、
バラードとかはちょっと注意かもです。
可能なら複数テイク送りましょう
Twitterでこれ言ったら珍しかったのか意外と反響がありました。
CDや配信といった商品としての側面も持つ音楽制作の場合、
複数のボーカルテイクを録って、その中でいいテイクを何人かで選別してミックスをしていくケースが多いです。
その方法を歌ってみたで取り入れるのはかなりメリットだと思ってます。
メリット
①歌い手以外も選別できるから客観的にいいテイクがわかる
②ミックスがし辛い音が入った場合の保険になる
③ニュアンスが残念な箇所があっても保険になる
①歌い手以外も選別できるから客観的にいいテイクがわかるに関して、
演者って自分の魅せたいポイントが上手に出来てるかがOKテイクの判断基準になりがちなんですよね。
だから魅せたいところ以外が甘くてもOKにしてたりなど。。
僕も20代前半の頃、楽器レコーディングに参加した際
「このテイクが最高やろ!まじ俺かっけー、自然な感じにMIXヨロ」
と、周りのメンバーの意見も聞かずに音源化までしてしまい、
聞きこむほどにソロ以外の伴奏なんかのミスが気になり、後悔したことがあります。
今ではメンバーやエンジニアさん、スタッフさんにどのテイクが良いか
MIX工程の際編集しやすくないか、など聞きますが、
少しでも多くの人が楽しめるものを作りたいのであれば
いろいろな人の意見を巻き込みたいですね。
②ミックスがし辛い音が入った場合の保険になる
オンラインでMIXやりとりする場合マジで保険になります。
本当にいいテイクなのに、
一か所だけ音割れしてたり
車の音が聞こえたり
ノイズが乗ってたり
残念ポイントがあったらもったいないし、
その問題をクリアするのに時間がかかってしまい、本筋のミックス(音圧調整やオケとの住み分け、エフェクトかけなど)に時間を使えなくなり中途半端な仕上がりに。。
複数あると
「あ、こっちのテイクは問題ないから一瞬だけこっちから持ってこよう!」
なんてことができます。
MIX師側としても、こだわりまくれるので、ありがたいです。
③ニュアンスが残念な箇所があっても保険になる
これも②と似てます。
例えば
テイク1音源「このしょら(空)に~~~!!!!」
って歌ってる(ピッチは完璧)
テイク2音源「この空に~~~!!!!」
って歌ってる(ピッチは1より微妙)
じゃあ2から空って部分だけ拝借して、あげれば最低限の補正で済むし
それぞれのいいところ融合できるので、そういう観点でも複数あると、カッケー作品作りができるのでありがたいです。
と、まあこんな理由で複数あるとより理想に近い作品になります。
もちろん、ベースとなるベストテイクは事前にお知らせしてもらえるとスムーズなので、
①ベストテイク
②サブテイク
③あればもうひとつぐらい!
って感じでもらえるとありがたいです。ほんと、一部だけでもいいので。
以上!長くなりましたが、個人的にそんな感じです!!
酒飲みて~~~~~~~~~~