【DJ漂流記】メキシコ編 Vol.6-Sayulita(サユリタ)
メキシコシティのセントロの外れにあるCafe123でのパーティーの翌日、Cafe123のオーナーと一緒にDJをやったTropicasa(カルロス)とランチをすることになった。食事をしながら色々意見交換をする。メキシコの音楽シーンの現状を聞いたり、音楽と非常に密接な形でARTシーンが存在していて互いに独立しながらも一つのパーティーでは互いに協力しながら良い空間を作り上げていてパーティー自体が一つのART作品になっているように感じたと伝えた。それから店のスタッフも来月から日本食の修行に来日するんだとか、オーナー夫妻は最終的に南下してブラジルに住みたいとか政治のこととか経済のこととかそう言うことを長時間話していたら次の目的地に向かう時間になる。
空港に急いで行き大量の荷物をカウンターで預け、西海岸の街サユリタへ向かう。プエルトバヤルタの空港に到着するともう夜の18時くらいになっていたタクシーをチャーターし1時間ほど走るとサユリタに到着した。
道中ずっと暗い山の中を走って灯りが煌々とついている街が見えてきたそこがサユリタだった。バハカリフォルニア半島よりも南東に位置する小さな町だが夜なのに街には人が溢れかえっている。立ち並ぶナイトスポットからはいろんな音楽が大音量で聞こえてくる。ツアー前半で行ったエンセナだとは違い観光客というよりも見るからにサーファーが多い。白人も多くそのほとんどがヒッピーのように見えた。
ここであることに気がついた。携帯電話タクシーの中に忘れた、、、。
とりあえず帰り空港のタクシーカウンターに問い合わせると言うことになった。
クラフトビール醸造所兼Bar YumBak Sayulita
サーファーパラダイスなこの街にクラフトビール醸造所でもありbarでもありミュージックスポットでもある素晴らしいお店。ここが今日の現場だった。
店のスタッフに挨拶して準備に入る。もうすでにお客さんは大勢来ていて準備している自分達に話しかけてくる。「待ってたぜ!早く音楽くれよ!期待してるぞ!」盛り上がりたくてウズウズしたサーファーヒッピーたちが今か今かと待ち構えている。とりあえず同じくらいのテンションになるためビールを2杯一気にいただく。いやこんな美味いビールを一気飲みに近い形で飲み干してしまった。もったいないがここは醸造所。いくらでもビールはある。
まず手始めにトップバッターは自分がいくことになった。このシュチュエーション、雰囲気、来てる人たち、、、。最初の一曲はこれに決めた。
なんとなくでもこの歌詞は好きで「ようこそ!新世界へ!」と言う感じでみんなに歓迎されているような感じがしたからだ。ここから盛り上がる感情をうまくコントロールしながら2時間ほどDJをする。BOOTHの前でずっと踊り続けているメキシカンの男性がいた。ことあるごとに自分に「イエー!最高!良いねー良いねー!」みたいな感じでムードを作ってくれる。
途中放し飼いになっている2匹の大きな犬がフロアに入ってきてウロウロしたりDJやってて中々の面白さだった。
とりあえず一旦自分の番は終了し相方サルジャンにバトンタッチ。
すると、BOOTHの前でずっと踊り続けているメキシカン男性が「えっ!もう終わり?」自分:「また後でやるよ踊ってくれてありがとう。名前は?」メキシカン男性:「マイネームイズ ホセ!コールミー ホセ!」固く握手する。会話してみるとホセは近くであった音楽イベントの照明の仕事でこの街に来たようだった。しかし踊っている時から思っていたのだが誰かに似ていると感じていた喋り方とか声質とか動きとか、、。
日本人が珍しいのか何人かの人に話しかけられた。白人の見るからにサーファーヒッピーたちはほぼ口を揃えて今のアメリカがいかにヤバいか?トランプが大統領になったらいかにヤバいか?だから逃げてきたと言う話をよく言っていた。そういえば同じようなことをCafe123のアメリカ人オーナーも言っていたように思う。
朝方パーティーが終わり街自体も静かになりタクシーを呼んでサルジャンが手配してくれたプエルトバヤルタのコンドミニアムまで行くことになったが中々タクシーがやってこない。待っていると先程のホセがやってきて仕切りに「どこまで行くん?」と聞いてくる。自分もタクシー待ってるけど全然こない!と言っている。そんなやりとりをしているうちにやっと一台のタクシーがやってきた。自分、サルジャン、エヴァ、エヴァの友人でタクシーは定員だがホセも「頼む!乗せてくれ!」と言って乗り込んでくる。完全に定員オーバーだが無理矢理後ろに4人。「マイネームイズ ホセ!よろしくね!無理矢理乗ってごめんね!」と言う感じで道中愛嬌を振りまいてくる。
この感じ、、、。やっと思い出した。沖縄のDJの友人タケシ君だ。コザから那覇に朝方DJ終わりで知り合いの車で帰る時、乗り込んできて同じ感じで定員オーバーで帰った。「俺。タケシーです。ごめんねみんな。ありがとうね。」終始愛嬌を振りまいていた。メキシコのタケシーだな。世の中に似ている人が3人いると聞いたけどその一人だ。
ホセの愛嬌振り撒きトークで車内をジャックされながら山の中の道を走り、途中からさらに奥へ入る道に入る。やがて景色が開けお城みたいな高級リゾートホテルが現れ、「ここでストップ!ありがとうね。また会いましょうね!」と言って降りていった。
嘘だろ。あいつこんな高級ホテル泊まってんのかよ。あいつ一体何者だったんだ?と言う感じで皆不思議な感じになった。