私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #46 【44日目】ムシアからマドリードへバス移動〜マドリード初日のディナーでトラブル発生
こんにちは、ナガイです。今日はムシアからスペインの首都マドリード(Madrid)へバスで移動します。
前回の記事はこちら。
天気予報(マドリード) 晴れ 最高気温20℃ 最低気温6℃
5時半過ぎに起床。今日はバスが7時半発なので念のため6時と6時半にアラームをセットしていたが、必要なかったようだ。時間があるので今日も朝シャンをする。
7時前に出発。バスの時間まで30分以上あるのでバス停の場所だけ確認してから岬へ行くことにする。
岬には朝の散歩をする人達や同じように出発前に岬を見に来た巡礼者が数人いるのみだった。
この石の道標が好きで、巡礼中に少なくとも数百枚は写真を撮ってきたと思うが、それもこの道標で最後だ。
バス停に向かうとすでに多くの巡礼者が待っていた。その場で料金を払って乗っている人もいたが、時期によっては満席になる可能性もありそうなので事前に買っておくのが無難だろう。
7時半過ぎにバスが出発する。実は今日サンティアゴでやりたいことが二つある。一つはウリーからもらったフィステーラ・ムシア巡礼用のクレデンシャルのサンティアゴのスタンプ欄だけが空白なので、巡礼事務所へスタンプを押してもらいに行くこと。もう一つはサン・ペラジョ修道院のタルタ・デ・サンティアゴを買いに行くことだ。サンティアゴでのバスの乗換時間は1時間半あるが、バス停から巡礼事務所へは歩いて25分かかるのと、朝の時間は巡礼事務所がサンティアゴへ到着した巡礼者で混雑している可能性もあるため、タルタ・デ・サンティアゴを買いに行けるかは微妙なところだが、最低でもスタンプはゲットしたい。
バスは定刻通りにサンティアゴのバス停へ到着。ここから歩いてサンティアゴの街へ向かう。街は土曜の朝らしい静かで穏やかな雰囲気だ。サンティアゴの街へ戻って来た感慨に浸るのもそこそこに、まっしぐらに巡礼事務所へ向かう。
9時半過ぎに巡礼事務所へ到着し、入り口にいた職員のおじさんに「フィステーラのクレデンシャルにスタンプがほしいのですが」と言うと、ああオッケー、といった感じでスタンプのある所へ行ってポンとスタンプを押してくれた。少し待たされることも覚悟していただけに、拍子抜けするくらいあっさりとしたミッションクリアだ。これでサンティアゴとフィステーラ・ムシアのクレデンシャルのスタンプ欄は文字通り全て埋まった。巡礼事務所のトイレで用を済ませておく。
まだ時間はあるのでサン・ペラジョ修道院のタルタ・デ・サンティアゴを買いに行く。ちょうど修道女が扉を開けていたところで、中に入るとタルタ・デ・サンティアゴも売っていた。しかも今日はホールだけでなくピースでも売っている。タルタ・デ・サンティアゴ(Almendra)のピース4つと、ついでにAlmendradosとGalletas-bizcochoというお菓子を一つずつ購入。10ユーロ。
ちょうど10時になったので再びバス停へ向かう。今日は満席でチケットが買えなかった鉄道の駅の前を通り過ぎる。
出発30分前にバス停へ到着。バスは定刻の10時45分に出発。ここからマドリードまで10時間近くの長旅だ。
バスの車内では通路側の席だったため景色は見ずに、お菓子を食べながら明日以降のプランニングや昼寝をしたりして過ごした。
14時半過ぎにポンフェラーダへ到着。2週間前に通過した町だ。ここで長めの休憩になる。バスの待合所でハムのボカディージョ5ユーロとリンゴ0.60ユーロを購入。サン・ペラジョ修道院のタルタ・デ・サンティアゴも一切れ食べ、しばし長旅の疲れを癒す。
バスは定刻の15時半に再び出発。巡礼中によく“Spanish time”という言葉を聞いたが、スペイン人は良くも悪くも時間を気にしないところがある。それによって困ることもあれば逆に助かることもあるのだが、バスの運行時間についてはきっちりしているようだ。
ポンフェラーダで隣の窓際の席に座っていた女性が降りたため、後で別の男性客が乗ってくるまでの間は外の風景を楽しむことができた。やはりスペインの青々とした木々と山は美しい。この中をずっと歩いてきたんだよなぁと思うと、遠い異国の景色というより、今はもう故郷のような親近感を覚える。
フィステーラの写真を送ると約束していたクリストファーや、フィステーラで会ったリンジーとミアにメッセージを送る。特にリンジーからの返信は胸がギュッとなる内容だった。カミーノで本当に良い人達と出会えたと改めて思う。
20時半にマドリードのモンクロアのバス停留所に到着。地下から地上に出ると、すっかり都会の風景だ。歩いている人達も都会的で若者が多い。空はまだ明るいが、すでに21時近いこともあってか想像していたより街は落ち着いた雰囲気だ。
今日は21時からレアル・マドリードのサッカーの試合があり、可能であれば見たかったのだが、試合会場のスタジアムであるエスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウはマドリード中心部から少し離れているため、キックオフには間に合いそうにないので大人しく諦めることにする。
バス乗り場からホテルへ向かう途中にあったスペイン広場(Plaza de España)にはたくさんの人がたむろしていた。気分はすっかりお上りさんだ。街の中心に近づいて来たのか、あまりにも人が多い。日本でいうと渋谷のピーク時の人出が歩いても歩いても続く感じだ。
21時半前にホテルへチェックイン。一ヶ月以上アルベルゲ生活を送っていた自分にとっては贅沢すぎる部屋だ。
荷物だけ置いてディナーを食べに町へ出る。ホテルの近くに中華料理屋があり、今日はここで夕食を取ることにする。
イベリコ豚のスパイシーな炒め物(Iberian Pig Tear Spicy Saute)と白米(White Rice)、水を注文。店員から辛さを調節しますか?と聞かれたが、辛いもの好きなので大丈夫です、と答えた。この店のメニューは決して安い価格帯ではなかったため、2ユーロの白米はてっきり日本人が普段食べる白いご飯のお茶碗1杯分くらいだと思っていたが、いざ出てくると細かい卵や豚肉が入っており、量も大盛りのお茶碗2杯分はあったので、これで2ユーロなら安い。店員にも「これ白米ですか?」と確認したほどだ。
炒め物も好みの辛さで、大満足で会計をお願いするが、ここでトラブルが発生する。思っていたより会計が高かったので内訳を確認すると、やはり先ほどのご飯は白米ではなく炒飯だったようだ。「私が頼んだのは白米です」と言うと、店員は「でもあなたは炒飯を食べてしまったので、炒飯の代金を払うべきです」と主張してくる。ここは引いてはいけないと思い、「いや、私はあそこにいる彼にこれは白米か?と確認したら、そうだと言われたから食べたんだよ」と反論する。恐らく“White Rice”と“Fried Rice”のイントネーションが似ているので、店員は“Fried Rice”と聞き間違えたのだろう。0対100で店側が悪いとまでは言い切れないのと、店員の言うとおり炒飯を食べたのは事実なので、もし次に言い返してきたら観念して払うことも考えたが、なにやら店員同士で話し合って炒飯を白米の金額にしてくれた。結果的に代金は当初想定していたとおりの20.10ユーロ。以前なら絶対にこんな交渉はせずに大人しく払っていたと思うので、この度胸は間違いなく巡礼によって身についたものだろう。
店を出て、デザートを食べたい気分だったので通りがかったアイスクリーム屋でチョコレートとストラッチャテッラのアイスを購入。3ユーロ。隣で会計しようとしていた男性が酔っ払っているのか、余分にお金を渡して店員から笑いながら返されており、その様子を見ながら都会らしい光景だなと思った。
アイスを食べ歩きしながらホテルへ戻りエレベーターに乗ると、後から老夫婦が乗ってくる。奥さんの方が「こんばんは」と挨拶してきたので「こんばんは」と返した。そして奥さんは降りる時も「おやすみなさい」と言ってくれたので笑顔で「おやすみなさい」と返した。そういえば今日はずっとこういう挨拶をしていなかったことに気づく。
23時頃に部屋へ戻り、24時半就寝。
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