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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #7 【5日目】スペイン巡礼初日

こんにちは、ナガイです。今日はようやくスペイン巡礼を開始します。巡礼初日は最初の難関といわれるピレネーの手前まで歩きます。
前回の記事はこちら。

天気予報(サン・ジャン) 晴れ 最高気温13℃ 最低気温5℃

午前3時に一度目が覚める。まだ少し時差ボケが残っているようだ。ドミトリーだと同じ空間で他の人たちが寝ているのでトイレに行くのにも気を使う。足音やドアの開閉の音を立てないようにしながらトイレを済ませ、再び少し眠る。6時頃から他の人たちも起き出したので出発の身支度を始める。
7時になると同じ宿泊者たちでテーブルを囲んで朝食を取る。同じテーブルには部屋も一緒だったスイスのステファンとドイツのトストン、さらにスコットランドから来た男女の2人組が一緒になった。過去に千葉で英語の教師として働いていた家族がいるそうだ。別のテーブルにはフランスのマノもいて、彼女は昨日までピレネーを迂回する別の道を歩く予定だったが、やはりピレネーを越える道を歩くことにしたそうだ。

朝食を済ませて部屋の階に戻ると、今日中にピレネーを越えるロンセスバージェス(Roncesvalles)組がすでに出発しようとしているところだった。彼らを見送ってから8時ちょうどに宿を出る。町のシンボルともいえる時計塔を潜って巡礼路を歩き始める。

初日にふさわしい好天で、空気の澄んだ朝の時間から歩くのは気持ちいい。

しばらく歩いていると、ほとんど同じくらいのペースで歩いている男性がいたので思わず「私たち同じペースで歩いていますね」と声を掛けた。彼の名前はカルロ、オランダから来たそうで今日はピレネーを越えてロンセスバージェスまで歩くそうだ。

手前を歩いているのがオランダ人のカルロ

しばらく話をしながら勾配のある坂道を登り、道がアスファルトから山道に切り替わる手前で私は一度休憩を取っておきたかったので彼に先に行ってもらった。

それぞれの巡礼者がそれぞれのペースで歩く
所々にこうしたコンディションの悪い道もある

その後もひたすら山道を登り続け、ピレネー手前にある宿としては恐らく最もポピュラーなRefuge Orissonを通り過ぎる。

振り返ると自分がどれだけ登ってきたかが分かる
Refuge Orisson

10時過ぎに今日の宿であるAuberge Bordaへ到着。サン・ジャンからは9kmくらいの距離なので、山道の場合は時速4kmほどで歩けることが分かった。

Auberge Borda

私を見つけた宿のホストの男性が2階の窓から顔を出し、「早く着きすぎだよ!」と言われた。チェックインは14:30からとのことなので、外のテーブル席に座って昨日買っておいたドライフルーツとチョコレートを食べながら待つ。宿があるのは恐らく標高800mほどの場所のため、陽射しが差していると暖かいのだが、雲がかかると身震いするほど寒かった。

コーヒーを注文することができたので待っている間に2杯飲んだ。そのうち今日の宿泊者が続々と到着してくる。テーブルの向かいに座った男性に話しかけると、彼は英語が話せないという反応を見せる。彼はブラジル人のクリスティアーノ、裁判官と法律・心理学・歴史の教授をしているそうだ。ポルトガル語しか話せず、英語だけではなくフランス語やスペイン語も話せないとのことだったため、お互いGoogle翻訳で英語とポルトガル語を翻訳し合いながら会話をした。Google翻訳を使っての会話は時間がかかったが、チェックインまで時間がたっぷりあったのでちょうどよかった。私が最初に覚えたポルトガル語は“Está frío”(寒い)だった。14:30になるとホストの男性が宿泊者に向けて宿の設備やルールについての説明を始める。

ようやく中に入ると室内は暖房が効いていて快適だった。

クリスティアーノが理解できていなそうな内容はGoogle翻訳でフォローした。16時にホストが洗濯を始めるとのことだったので溜まっていた洗濯物を出すことにしたが、出す場所が分からなかったので近くにいた男性に教えてもらった。彼はドイツ人のデリック。彼は過去に日本を6週間旅行したことがあるそうで、ウイスキー好きなのもウイスキーが有名な日本を訪れた理由の一つだそうだ。それからシャワーを浴び、夕食の時間までゆっくり過ごした。19時になると宿泊者16名全員で食堂に集まり、一緒に食卓を囲む。メニューはスープ、ポテトとチーズのグラタン、ポークソテー、デザート。質素だがボリューム満点でお腹がはち切れんばかりだった。

夕食後、クレデンシャルへのスタンプと会計(宿泊代43ユーロ、コーヒー代2杯分2ユーロ、洗濯代3ユーロの計48ユーロ)を済ませる。カナダから来たリンジーという女性が日本オリジナルデザインのクレデンシャルを見ていたく気に入ったようで、「カナダのクレデンシャルはこんなにひどいのに!これは巡礼が終わったら壁に飾るべきよ!」と熱弁していた。オリジナルのクレデンシャルは思っていたよりいい話のネタになるので、日本の巡礼者はぜひ取り寄せて持参することをおすすめしたい。

21時過ぎに部屋に戻り、明日の準備を済ませてから23時前に就寝する。

歩いた距離

今日9km 合計9km 残り771.4km

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