だから本当の顔で歌うよ
好きなバンドがある。
好きなラッパーがいる。
前に、ヒロトとマーシー(ブルーハーツ・ハイロウズ・クロマニヨンズ)の、永遠についてのスタンスについて書いた。
変わらないのは格好いいことだと思う。
ても、スタンスや信念が変わらないままで、主張がポジティブに変わっていくってのも、たまらなく格好いい。
the pillowsというバンドが好きだ。
正確には、特に高校生のときにハマっていた。
いわゆる「ロックバンド」にはじめてハマったのがピロウズで、はじめてライブに行ったのもピロウズだ。
今は、結成30年を超えているバンドだけど、
ハマって聴きまくったのは、「結成当初〜20年目」くらいのときで、当時出ていたアルバムを全部集めて聴きまくった。
Please Mr. Lostman(1997年)というアルバムの、
(ちなみにこのアルバムは、あのミスチルがカバーしたストレンジ カメレオンが収録されている)
「Ice pick」という曲で、
ほどけないメロディーは無力で
ムキになっても笑われるさ
二度と本当の顔は誰にも見せたりしないぜ
プラスチックの涙を砕く アイスピックを持ってる
いつも
今より似合う場所が
何処かにある気がしてる
って歌ってて。
この頃のthe pillowsは、ざっくりとあべが解釈すると。
自分たちを「まわりの色に馴染めない出来損ないのカメレオン」って歌っているように、大衆ウケする曲はつくれないけど、歌いたい曲を歌ってやるぜ。みたいな感じなの。
ちょっと世界に対して斜に構えてて、そこがめちゃくちゃかっこいいんだけど。
で、そこから5年後にだされた、Thank you, my twilight(2002年)というアルバムの、
「バビロン天使の詩」という曲では、
僕の姿ちゃんと見えるのは
もう君だけしかいなくて
だから本当の顔で歌うよ
って歌ってるの。
周りの色になじまずに、自分たちの歌いたいものを歌ってる、ってスタンスに変わりはないけど、捉え方がすっごくポジティブになってるんですよね。
相変わらず、超売れ線のバンド!ってわけではなかったけど、Please Mr. Lostmanのアルバムあたりから、ちゃんと見てくれるファン(バスターズと呼ばれる)が増えてきていて。
この歌詞は、もしかすると、恋愛って意味だけじゃなくて、「the pillowsがやっている音楽」を見ることができるのは、バスターズだけしかいないけど、だからポジティブな意味で自分たちらしく音楽を続けるよ、って意味だったのかな。なんて思ったりします。
ちなみに、「バビロン天使の詩」は、あべが知る限り、世界三大ダサPVに入ります。
唾奇というラッパーが好きだ。
沖縄出身のラッパーで、いわゆるチルアウト系ヒップホップブームの火付け役みたいな存在だ。
トラックもリリック(歌詞)もめちゃくちゃオシャレで、ここ4年くらいずっと聴いている。
「i Believe」って曲で、
人の不幸は踊れるだろ
って歌ってたり、別の曲でも、
人不幸にする才能
みたいなことを歌ってて。
自分がいわゆるダメ男で、音楽を頑張ってて、でもいろいろだらしなくて、それによってパートナーや周りの友人を不幸にさせることもある、みたいなことをたくさん歌ってて。
でも、BASIのfeaturingになった「愛のままに」って曲では、終わりのほうに、
Ey 巻き戻しのきかないtimeとチクタク回る時計
人生は山あり谷あり痛みなしで得る幸せはそうないと思う
太陽のような暖かさ 対等に分け合う summer
飾らない anytime 君の虜みたい 類を見ない幸せの天才
って歌ってて。
hook(サビ)は、
夢の途中で あなたに出会い 愛を覚えた
例え世界が どうなろうとも 愛のままに
(引用)
他人への「幸せ」に対して、どう関われるか、が自分の中で変わったのかな?って思うんだよね。
夢を追ってるダメ男が、その夢の途中で「あなた」に出会って「愛」を覚えて、「人を不幸にする才能」を持ってたけど、いまは「類を見ない幸せの天才」になった。って。
かっこよすぎる。何回も何回と聴き込んじゃう。
だらだらと、何が言いたかったって言うと、the pillowsと唾奇はカッケーから、みんな聴いてねってことです。