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ブライドルレザーのメリット、デメリット。革職人の私がブライドルレザーに拘る理由。
ども!BRUSHの長谷川です。
今回は当工房でメイン商品として扱っているブライドルレザーのメリット、デメリットのご紹介です。
革職人として小物を制作する私がなぜブライドルレザーに拘るのか、なるべく簡潔にご説明していきたいと思います。
ブライドルレザーとは?
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ブライドルレザーとはもともとはイギリスで馬具用に開発された革です。
革の表面の白い模様は「ブルーム」と呼ばれるワックスで、使い込むとブルームが落ちてゆき革に艶を与えてくれます。唯一無二の表情が渋いですよね。
【メリット1】筋繊維の密度が高く、裂けにくい。
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ブライドルレザーの最大の良さは、とにかく丈夫な事です。
これは一般的なレザーに比べ、筋繊維の密度が高いため。
私は昔、革製品の修理を仕事にしており、数々の使い込まれたお財布を見てきましたが、ブライドルレザーを使用したお財布は10年以上使用した物でも現役でした。(流石にへたってはおりましたが)
馬具用に開発されたというのも納得ですよね。
特にお財布というのは革の厚みを0.3mmくらい(バッグに使われる裏地の布と同じくらい)まで薄く加工するため、密度の高さは重要になってきます。
また、ブルームのおかげで乾燥からくるヒビ割れがしにくいというのもブライドルレザーが堅牢たる理由です。
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【メリット2】撥水力があり、汚れがつきにくい。
革というのは基本的には水に弱いです。
過度に水に濡れると変形やシミなどの原因になります。
比べて、ブライドルレザーは表皮が引き締まっており、加えてロウ分であるブルームが水を弾いてくれますので、ある程度の撥水力があります。
これは見た目上ではブルームが落ちてからでも変わりません。
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数十秒くらいでしたら問題ありません。とはいえ長く放置すると水が染み込んで、シミや水膨れのような症状を起こしますので、実験することはおすすめ致しません。
万が一濡れた場合はすぐに布で拭き取って下さい。
【メリット3】エイジングが渋い!
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写真を見て頂ければもはや説明ご不要かと思います。
写真は当工房で取り扱う染料で仕上げたブライドルレザーなのですが、とても渋いエイジングをします。
角が落ちて丸みを帯び、色は深みを増していきます。
百貨店に並んでいる均一な色味で綺麗な革というのも魅力的ですが、こちらは表面に余計な加工を施していないため特に自然なエイジングが楽しめます。
BRUSHでは革の風合いを楽しんで頂きたいという想いから、特にこのようなエイジングの楽しめる革を採用しております。
【メリット4】基本的にはお手入れ不要
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扱いやすさもブライドルレザーの魅力です。
基本的には乾燥しにくいので、クリームなどのお手入れはしなくてもご使用頂けます。非常に扱いやすい革です。
ただ、お手入れをするとよりエイジングを楽しめます。
頻度は購入から1年後を目安にクリームを塗って布で拭き取る簡単な手入れをしてあげて下さい。その後は半年に1度くらいの頻度で大丈夫です。
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コバなどもコットンで磨くと少しだけ艶が復活するかと思います。
【ブライドルレザーのデメリット】
メリットだけでは判断材料が少ないかと思いますので、一応デメリットも挙げてみました。
【デメリット1】使い始めは革が硬い
筋繊維の密度が高い分、革が硬いです。
何と比べるかによりますが、市場に出回る一般的な革に比べて体感的に1.5〜2倍くらいでしょうか。
そのような理由から、当工房でもブライドルレザーは外装だけに使う事が多いです。
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ただ、これは使い始めの半年くらいのみです。
内装にもブライドルレザーを使用したモデルでもしばらく使うと馴染んできます。ある程度の慣らし期間を経て、使いやすくなっていくかと思います。
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【デメリット2】革が高価
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ブライドルレザーは基本的には高級レザーの部類です。
仕入れ値で言うと、国産の一般的な革と比べて2〜2.5倍、イタリア産の革と比べても1.5倍くらい値段が高いです。
そのためブライドルレザーを使用した革製品は高価となります。
手を出しにくいお値段かもしれませんが…お手入れしながら5年、10年使えると思えばお手頃かもしれません。
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ブライドルレザーのメリット、デメリットは以上となります。
また気が付いたことがあれば書き足していこうかと思います!
ご購読ありがとうございました(^^)
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