夢までの距離
自分の表現を死ぬまで続けること。
男、35歳。
普通といわれる、この世の常識から
外れた男は小さくて大きな夢を見てる。
普通なら、結婚して子どもがいて、
その子を学校に行かせるために、
世間でいう立派な子どもに育て上げるために
奮闘している世代。
自分には、その道は選択肢に元から
なかった。
その道を歩むように、見せかけることに
必死になっていた。
自分の中身はずっと空洞だった。
そんな風に10代、20代は過ぎて、30代も半ば。いい大人が自分のことばかり表現している。沈んでしまった過去の自分を引き揚げるために手を伸ばしはじめた。
絵や物を作ったり、文章を綴ることで、なにもなかった自分を埋めようと日々試行錯誤している。簡単には結果はでない。焦り過ぎて、雑になり、後退しているような感覚すらある。
お金なんてない。貯金も雀の涙ほど。もっと時間を使って、働くことにしたほうが老後に向けてはいいだろう。
どっちつかずなまま、こころは宙ぶらりん。
でも、やっぱりこころが傾くのは、表現することに対してだ。
どれだけ努力してる?と言われると、全くしてない人と比べればしているとは言える。ただし、現役の美大生や美大を受けようとしている人たちと比べてしまうと、月とスッポンである。
自分なりのペースでやればいいは、甘えでしかない。彼らと同じくらい、いや、彼ら以上に努力しないとなにも変わらないという壁の前に、ようやく向き合えた。
この壁に立ち向かうどうか、これはきっとこれから毎日向き合う問題だろう。
結局はやるか、やらないか。
そういうことなんだなって。