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木を見て、森を見る。
何事もすぐには結果はでない。
仕事を辞めて、自由な時間を得た。そこで自分と向き合うことで本来の自分というものを取り戻した。そんな気がした。たしかに、今まで抑えていたものはたくさんあった。
多くの人と話したり、昔から興味があることに積極的にチャレンジするようにもなれた。未来に希望を抱いて、アグレッシブに行動することでほんの少しずつ自信というものが芽生えてきた。昔の自分を知ってる人から見れば変わったように見えたかもしれない。
信じられないかもしれないが、自分の中でたしかに変わった瞬間があったことは確かだ。それは目に見えるものではないから説明の使用もない。
今までがずっと低空飛行な人生。とりあえず目立つことは嫌だった。失敗した姿を見せるのが怖かったから。良い子で振舞っていた。怒られるのが恐いから。何十年と生きてきたその生き方が変えられると思ったが、人間はそんなにすぐには変わらない。
自分の軸で立っていたはずが、予期せぬことがあっただけで、グラグラとこころは揺れた。梅雨空と同じですっきりとしない日が続くと、さまざまな決断に迷いが生じる。2度と前のようには戻らないと誓ったつもりだが、ほんの少し先の未来にも不安が生じると立ち止まってしまう。流れが止まると、水は濁る。あんなにはっきりとしていた視界が急に悪くなった。
その不安は失ってしまった人間関係であったり、収入の少なさであったり、失敗して笑われるのではないかというもの。自分がやると決めたことを実現するには、どれだけの時間がかかるかわからない。一年後かもしれないし、数年後、もしくはその途中で一生を終えることも考えられる。
今までもそういう壁にぶちあたってきた。そのたびに諦めという選択をした結果が、今に繋がっている。でも、まだぼくは諦めてはいない。まだぼくの流れは止まっていない。前と違うのは、やりたいことをほんの少しでも毎日積み上げていること。その積み重ねた先に見える景色を見るのが楽しみだ。
木を見て、森を見る。さぁ、また歩き出そう。