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らくがきとあーと。

とある商店街の老舗の和菓子屋さん。テレビの某番組で紹介され人気になった栗のお菓子が有名なお店。もちろんまだ営業している。そのお店の前を夜、ふらっと通ったら落書きをみた。これはアートでもなんでもなく、ただの落書き。

ぼくにはアートがとか、芸術がとか多くを語れる実績も実力もないかもしれない。それでも、これは落書きだと言える。ちょっと怒りがこもっている。ちょっとではないかもしれない。こういう落書きを世間ではグラフィティーといって、ストリートアートの一種と言われる。しかし、写真のものは落書きだ。売名なのかもしれない。それもひとつだとはわかるが、やはり自己満足でしかないと思う。こういった人が、バンクシーのように有名になるだろうか。いやっ、ならないだろう。少なくともこの写真の落書きを書いたやつは。

バンクシーについては、本だとかで知った知識しかないが、彼なりの哲学があると思っている。もちろん若い頃は、純粋にちょっと悪いことに快感を覚えたのかもしれない。しかし、最近の作品ではなにかしらのメッセージ性を伴っている。
バンクシーの代表的なもので言えば、【花束を投げる暴徒】が有名だろう。今年は地下鉄の中に落書きした(ここでは敢えて)。その絵にもメッセージがある(ネットで調べてみて)し、すぐさま消されたことすら計算に入ってると思う。さらに、消されてもネット上には作品の画像や動画は残っている。すべての流れを想定して描かれていると、ぼくは思っている。もちろん悪いことだと言うことはわかってるので、擁護するわけではないが、覚悟を持って表現していることは想像がつく。世の中をしっかり見据えて、自分で考えて行動している人間だと思う。

一方、先ほどの落書き。これを書いた人間は信念だとか哲学だとかを持っていたかと言うと、そうは思えない。世の中のことなんて、考えてやしない、想像力がない人間なんだろう。このお店の歴史も、このお店を愛してる人間のことも考えてないんだろう。誰か教えてあげる人がいればいいなと思う。

普段は怒りを内に溜め込むタイプだが、今日は我慢できずに発散させた。書き終えて、もし、お店の人が頼んだものだったら、もし、お店の人が描いたものだったらなどと思った。もし、そうなら、なんてね。

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