夢を夢のままにしておくこと
「自分の腕を信頼して毎日何度か危険を冒し少々シンドクて、孤独で、
いつも野の風と光の中で生き、絶えず少年のように胸をときめかせ、海賊のように自由で」
(日本の川を旅する/野田知佑)
この言葉に魅了され、世界一周はタイから入ってカナダでFINISH、それも最後はカヌーイストの憧れの地ユーコン川でカヤック旅をやってから帰国することを決めていた。タイ〜カナダ間は行きたいところを都度その場で決めていった形だ。
バンフでやったカヤック
ユーコン川はカナダ西部からアラスカにかけて流れる3,200kmもの大河。
広大で美しい原野の中を流れており、クマもビーバーも出る。
ユーコン川での川旅は、
朝は小鳥のさえずりとともに起き、川の水で顔を洗い、積んである食糧をカヤックの上で食べ、川辺で焚き火を焚いて、テント泊をする。そんな過ごし方だ。大自然の中とはいえ、利便性など含めおおよその有名なコースはあり、320kmを8日かけて下るのが主流だが、長い人は740kmを2週間で下るコースもあったりする。
自然の厳しさもあるが、静寂な自然で過ごす自由極まりない時間だろう。
だろう?
そう僕は、結局ユーコン川には行かなかった。
厳密にはユーコン川のあるユーコン準州には行ったが、そこでオーロラを見て日本に帰国した。
なぜユーコン川に行かなかったのか。
自分でもはっきりしたものはよくわからない。
強いて言うなら、
夢を夢のままにしておくのも悪くないかな
といったところだ。
基本、夢はバンバン叶えていきたいタイプだけど、この時はなぜかそう思った。
ユーコン川のカヤック旅は人生でやりたいことリストに未だに入っている。多分、叶わなかったとしても後悔はしないと思う。
でも、リストに入ってるだけでなぜかワクワクしてしまう不思議な存在だ。