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日野開三郎博士(中国史学の第一人者)にかんして、わたしが思うこと。

 《日野開三郎 - Wikipedia 》という、わたしが尊敬する偉大な東洋史学者が、いらっしゃいました。日本学士院賞など華々しい経歴をもつ、超本格派の巨匠であります。氏の東洋史学論集は 20 巻近くに及び、わたくしは、そのうち 5 巻を所有しております…。学府東大を卒業後、九州帝大などで活躍されました…。

 日野氏のお顔がネットで拝見出来なくて、残念です。おそらく、非常に学術的思慮に長けた、倭国風の、風貌ではないでしょうか。知っている方、ご容赦ください。なにせ、わたしはまだヒヨコで…。

 氏の中国史分析は、用意周到ともいえるその文献引用傾向と、正確かつ非常に難解極まりなく、それでいて、もしその本を深く読み解きたい者がいるならば、その者を、一切の呵責なく、深遠なる深みまでいざなうような、非常に難解で複雑極まりない論法なのであります。そのすさまじい著作量ともあいまって、日野氏は当時もいまも、学界で一目置かれているようです…。

 たとえば、具体例を出しましょう。わたしの持っている氏の学論集は 5 冊ですが、内容は、唐代両税法の研究上下、宋代の貨幣と金融上下、続 唐代邸店の研究、であります。まあ、学論集の中でもっとも氏の得意とする社会経済史的な色がつよい巻立てですなあ…。塩鈔・茶引の研究あり、唐代州県治坊制の誕生あり、安史の乱前後の漕運(大運河使用)の問題あり、商業組合「行」の研究あり、東洋史ないし中国史の知識のある研究者方のかたなら、わたしよりはるかに情報量豊富なテーマばかりであると、察せられます…。しかしですねえ、上記のようなテーマに一貫している、日野氏の論風についてはですねえ。ここから有料エリアとなります…。ヒントを差し上げます。氏のきわめて正確無比な、史料引用ならびに叙述方法がそれになります…。

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