近現代西洋歴史学における研究史が理解できない、との悩み…。
近代歴史学の誕生は、西ヨーロッパにて始まりました。ランケだとか、ホイジンガだとか、わたしは詳しくは分かりません。ただ、戦前から、ドイツ式の理論歴史学を導入した学府東大が、その影響を受けて、各方面の地域史に着手しながらも、その方法論としては、ある程度、ドイツ式になっていることくらいは、把握しているつもりでいます…。
歴史学研究は、とくに西欧において、各国おのおのの学風、学界の動向、ならびにその国の文化的背景の影響を多分に受けながら、複合的に発達していきました。各国間の学界交流はあるのですが、ある特定の見方で、ある特定の国家を形式的に把握する、かんたんにいえば、フランス史なら、イギリスでもドイツでもおなじようにフランス史として研究する、ドイツ史なら、イギリスでもフランスでもおなじようにドイツ史として研究する、といったような、簡単な組織理解が、適用困難なのであります…。それなので…。
わたしはいま、学生時代以来西洋史を本格的に学ぶ上で、非常に悩んでいます。どの国の、どのエリアを見ても、その分析対象についての記述が、専門書籍ごとに、重複していて読み下せる部分と、分裂していて読み下せない部分とに、分かれてしまっているから、です…。
日本人の研究者でも、研究エリアがダブった時に、そもそもフランス史学よりなのか、あるいはドイツ史学よりなのかによって、記述表現に格段の違いが出てきてしまいます。たとえば、ハンザ同盟というテーマエリアがあったとしましょう。いくつかの本が、そのテーマエリアをカバーしています。果して、組織的に、囲碁の定石のように、そのテーマエリアの通史なり、構造論的理解なりをできる研究者が、世の中に存在しますでしょうか?わたしは、「いない」と、思います。薄学で申し訳ございません。研究者一人一人違うと言えばそれまでです。しかし、すこし囲碁の例を取り上げましたが、四隅の定石であれば、形のパターンはある程度きまっています。さらには、パターンの数にも上限があります。「定石変化」などという囲碁用語がありますが、定石は、四隅で繰り返されるので、「定」石と定義されるはずです…。悪しからず…。
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