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ぬいぐるみ用ハンモックを作ろう



もっといい形、ないかな?
まわりのお友だちから次のワークショップでぜひやって欲しいとの声に、
どうやって作る?から
約1年後にワークショップでデビューしたハンモックについて書きました。

最初は瓶ホルダーだった

ワークショップで作ってる瓶ホルダー


約1年前からワークショップで教えているマクラメで作る瓶ホルダー。こちらは特にインテリア好きな人に人気があって、小さいものだと花瓶、大きいものだと植木鉢サイズまで作れます。自分で作るから、植木鉢に合わせながらサイズ調整出来るのが人気の理由になっています。


植木鉢にも合わせて作れる!


その年の6月、あるマルシェでワークショップをした際に、そこに瓶ではなくて、ぬいぐるみを入れても可愛いかもと思って、実際にぬいぐるみを入れてみたら、想像と違って様子が変。紐の間から手足が出ちゃうし、座り方もおさまりが悪い。大事なお顔が埋もれてしまい、なんだか網に捕まってしまったように見えて、

「まるで捕らえられた捕虜のよう…」

ぬいぐるみが可哀想に思えたのです。
じゃなくて、もっとリラックスして、見てる方も癒されるようにしたかった。

「それならハンモックがいいね」

ハンモックかぁ。なるほどね。
では、どうすればぬいぐるみ用ハンモックを作れるのだろうか?

まず人間用のハンモックを研究することから始め、商品を検索してみたり、あらゆるところにある実物に実際に乗ってみたり…と調べてみました。

気持ちよさそうなハンモック!


ぬいぐるみ用の試作をしてみる

かたちを真似して、見た目の可愛さ、使いやすさ、機能、など考えながら、ああしてみよう、ここをこうしてみようと、何パターンか作ってみてはぬいぐるみを乗せて使ってみる、を繰り返しました。せっかく作るのならいいものを。そして簡単、早く、楽しく作れることを同時に考えながら。


最初出来たものはぬいぐるみが簡単にボトッと落ちることが判明して、これは大変!
落ちない工夫をしなければいけないという問題にぶち当たりました。
ハンモックというと1箇所じゃなくて2箇所から、つまり両端を引っ張った状態で壁に取り付けるかたちが多い。人間のハンモックなら、空間で引っ張っていて、屋外では木と木に繋いでいい雰囲気。ですが
ぬいぐるみの場合は壁面を使い、1箇所から吊り下げようとしました。するとどうしても安定が悪くなり、落ちやすかったのです。
2箇所から引っ張るハンモックにする?そのためにはスタンドが必要になってくる。3点スタンドで両端を引っ張るか、コの字型の枠を作り両端を支えるか。素材は金属?木材?金属ならばワイヤーで作ってみれるかも、やってみる?ワイヤーを土台に使っても安定しないと思うけど…
コストもかかり、大きくなって場所もとってしまうので、一時はいろいろ考えましたがそれはもうやめて、他にいいものがないかを探すことにしました。
しかし、これというものが見つからないまま、日々が過ぎていく。
よいアイデアが浮かばなかったので、そこから一旦離れてしばらく放置することにしました。

旅行先でアイデアと出会う

それから1ヶ月くらい経った夏の終わりの頃、家族とともに海の近くにあるリゾートホテルを訪れました。そこの大浴場でマッサージチェアの隣にあったハンモックを見た瞬間、頭の片隅にあった未解決ハンモックがぱっと蘇がえりました。

こちらがそのハンモック!


「この形!いいかも」

でもそのためにはある材料が必要、それは1本の棒でした。

その棒、どうする?棒くらい何とか用意できるのでは?

実は、わたしの家の小さな庭には琵琶の木があって、数年に一度伐採し、今年処分すべき枝がたくさんありました。キャンプ場に行った時のBBQ用にもするのですが。
それが使えるかも!と思ったのです。
じゃあその生の枝をどうしたら使えるか?

調べたら、「煮沸消毒して天日干しして乾燥させ、扱いやすくするためにヤスリをかけニスを塗る。」

なるほど、そうすることによって中に潜んでる虫や雑菌を駆除し、まわりをコーティングすることによって安全な木材にするというのだ。
伐採したまま置いてある枇杷の木くずの塊から、適当な大きさの枝を選別し、ノコギリで狙いのサイズに切断をするという工程。これはまたひと仕事になりそうだけど、ここまでわかれば後はやるだけになりました。

材料制作に取りかかる

ただの伐採した自宅の枇杷の枝


天気の良い日を選んで、いざ枝の切断!
ノコギリが得意でないわたしですがそれでも何本も切断していたら要領を掴んで作業が進み、約直径1cm長さ20cmほどの小枝が30本くらい取れました。
お湯を沸騰させたパスタ鍋に投入!1分くらいぐらぐらさせたら灰汁がたくさん出ました!そして、よく水を切ったあと干物網に並べて数日間、天日干しをしました。

数日後カラカラに乾いた棒の周りをヤスリで削ると、ツルツルと滑らかになりました。木の優しい肌触りが心地よくて、このままでもいいけど、やっぱり艶が欲しいのでニスの代わりに透明なスプレーでコーティングしました。

うん、これならいい感じ!

というのが出来上がりました。
少し曲がっているものや切り口が斜めだったり太かったり細かったり、枝にも個性があって、どれにするか選ぶのも楽しそう。
これを使ってハンモックを作ったところ、課題になっていた安定感は得られ、小枝の感じもぬいぐるみとの相性がよくて仕上がりは上々でした。

マクラメ紐の長さを無駄のないように決めて、マルシェ2日前というさし迫った時にようやくサンプルが出来ました!デビューが待ち遠しい!これを実際作ってもらってどんな反応が貰えるのか楽しみになりました。
枇杷は体に良いというのでこうして枝が無駄なく使えて実用的なのも嬉しいですね。

こちらが出来ましたハンモック!


ぬいぐるみを入れるとこんな感じ!


1月25日、マルシェで無事デビュー


待ちに待ったマルシェでのデビュー、4人の方に作って頂きました!色はオレンジ、ターコイズブルー、ピンク、赤などさまざまで、仕上がり後ぬいぐるみを入れると皆さん声を揃えて「可愛い〜!」と笑顔になってくれて、わたしも嬉しかったです!


カラフルなハンモックにぬいぐるみを入れると、可愛い!

また、ひとつ、アイテムが増えました。
後にぬいぐるみを入れた写真を見せてくれた時はワークショップで作る楽しさや喜びを伝えられて良かったと、再び実感が湧きますね。

こんな感じで生まれたハンモック、いかがでしょう?

ルコ

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