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あのたび -カンボジアの悪路-
ストゥントレンからバンルンへ。通行量が少ないので公共のバスはないようだ。
ボクが載せられたのは荷台付き4WDのようなピックアップトラック。座席は運転席の横の助手席しかない。ボクが支払った6.5$がVIP価格だったからなのかはわからないが、その助手席に座ることができた。狭いのにもう2人も乗り込んできてぎゅぎゅう詰め。残りの人たちや荷物は後ろの荷台に載り、日よけもないのでかなり暑いだろう。
出発して数十分して、バンルンへ行く決断を後悔した。
泥道。土が柔らかくそのせいで数十センチ以上の深いわだちができている。平らな状態の道の方が短いくらいだ。2003年当時、首都のプノンペンですら数本の道路を除いては舗装されていない状況だった。
ピックアップトラックは窮屈な上、前後左右上下によく揺れる。途中で車がストップしたのは荷台からボクのカバンが落下したためだ。2回も。その際にベトナムで手に入れた扇子をなくしてしまったようだ。もちろんカバンは泥まみれ。この車のあと何台か通ったら折れてしまいそうな橋もあった。行きはいいが帰れるのだろうか。
簡単に言うと、スピードの遅いジェットコースターに延々と6時間も乗っていた。ということになる。三半規管はやられ体はだるい。
到着したバンルンは本当に特に何もない町だった。宿はダブルで5$があった。およそ誰も来ないであろうココに欧米人が2人いたことに驚いた。
あとで知ったことだが、自然の動植物を観察する森林探検や少数民族の文化に触れるなどのツアーがあるようだ。
何もせず町を去るのもどうかと、翌日スクーターを4$で借りて北へ行くと子どもたちが池で泳いでいる。近くで売っていたフランスパンにアイス挟み!が500Rielで、暑いカンボジアではうれしい冷たさだった。東へ行くと大きな湖があり、なぜか1$取られた。入場料だろうか。夕日を見て宿に帰る。
あの道をまた戻るのかと気が重いがもう一泊してまたストゥントレンへ引き返すことにした。次の国のラオスへ入国するために。まだお腹の調子は悪いままだ。
ひどい悪路だったという思い出だけが残った。
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(つづく)