あのたび -木男-
宿で朝食が出たはいいがパンケーキだけでは足りないので散策する。ボゴールの街並みはいい眺めなのだが川が致命的に汚い。ゴミ捨て場兼トイレなのかと思うほど。
駅周辺には何もなく歩いてバスターミナルへ向かいながらバーガーを買い食いする。日本だと駅=バスターミナルで便利なのだが、インドネシアは街の郊外にバスターミナルがあるので不便だ。町中にミニバスも走っているのだがどれに乗ったらいいのか、いつくるのかわからず難しい。
これは次の町へ行きたいときだけでなく、次の町へ着いた時も同様だ。バスターミナルで降ろされても町の中心部がどちらにあるのかわからず宿が探しづらい。
なんとかバスターミナルへ到着し12000Rpの長距離バスで次の街バンドゥンへ。スマトラの32時間バスがつらかったので、今後は少しずつ刻みながら東進していくことにした。
バンドゥンはジャカルタとジョグジャカルタの間にあるジャワ島第3の都市。特になにもない。インドネシアでは他の東南アジアのように町中の屋台でフルーツジュースというのが見当たらない。ビタミン不足を補うためスーパーでフルーツジュースを買おうとするが、スーパー自体がみつけられない。その理由はなぜかビルの4階にスーパーがあったからだった。たいていスーパーってどこの国でも1階か地下1階が食品売り場だよね。なぜかインドネシアでは上階にあったりする。不思議。ジュースと水と軽食と蚊取線香を買う。
その途中の路上で木男を見た。壁に背中をよりかかって座り、服の裾から伸びる手足がまるで植物のようにひからびている。指なのか枝なのかもわからない。その本数すらあやふやだ。立って歩くことはできそうもない。人形なのか人間なのかもわからない。生きているのか死んでいるのかもわからない。でもその姿を見せることでお金をめぐんでもらおうというのだろうか。じっくりと見て確かめてみたかったが、後ろめたさもあり正視できなかった。くたびれたこの通りでは現地の人も誰も木男には目をかけていなかった。
夜はナシチャンプル(ぶっかけめし)をいただく。並んでいるおかずから好きなのをかけてもらう形式で5000Rp。意外と食後のティーが旨かった。インドネシアはコーヒーの国というイメージがあるがお茶も割と飲まれているらしい。
(つづく)