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紙と電子

大学受験には一度失敗し、予備校に通った末に、
田舎から東京の大学に進学しました

当時の受験勉強において、
情報収集手段は書籍のみ

教科書、参考書、問題集、そして英単語帳
線を引っ張ったり、書き込んだり

大学生時代も基本アナログで、
試験前には、人のノートをコピーするために
コピー屋さんに長蛇の列ができていました
これだけ覚えておけばOK、みたいな
「必勝コピー」が出回ると、比較的高値で取引されたりもしてたかな

就職しても、最初の数年間は、完全な紙文化
大変革が訪れたのは、Windows95の拡販による
パソコンの普及でした
従来のパソコンは計算するものだったのが
情報収集手段の主役となりました

それまで情報収集は、専ら新聞から、だったのが
インターネット経由で24時間、ボーダーレスで膨大な情報を瞬時に入手できるようになってきました

そして携帯電話→スマホの普及により
数十年前の超高機能コンピューターを遥かに上回る性能のパソコンをスマホという形で
持ち歩いている状況が当たり前になりました

情報収集手段も、オンラインでの電子データ取得
が主流となり、紙媒体からの情報収集は
もの好きな人の趣味の世界になりつつあります

以前このサイトの日記で
「紙の本には浪漫がある」
「紙の本は好きな作品の作家の作品を
 独占している優越感に浸れる」
と書いておられる方がいました
電子書籍は、「独占」ではなく「共有」のように感じる、と

すごく共感できました

情報収集の手段としてのネット文化の普及は
素晴らしい技術開発であったと思います

でも、どうしても紙で残しておきたいもの
もありますよね

私も、本はほとんど文庫本しか持っていないのですが
どうしてもハードカバーで持っておきたかった本が
何冊かあります

沢木耕太郎さんの「敗れざる者たち」も
そのうちの1冊です
学生時代からずっと読み続けている本で
今も文庫本は当然持っているのですが、
古本屋でハードカバーを見つけた時、迷わず購入しました

私は紙の本の手触りや、夫々の本が持つ独特の匂いのようなものも好きです
これは、情報収集手段としての媒体ではなく
一種のお守りのようなもの、ですかね

カバンの中に、お気に入りの1冊が入っているのは
ちょっと重くなりますが、
その分心が豊かになって良いですよね

今日から大学共通テストが始まります
赤線や書き込みがびっしりの参考書で頑張った
受験生の皆さんの願いが叶うことをお祈りしています

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