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トリプルネガティブ乳がんと免疫チェックポイント阻害剤。
転移再発乳がんで一番困るのはトリプルネガティブ乳がんです。いわゆる雑多な集団でおとなしいものから超悪性度のものまで含まれています。治療してみないとわからない部分も多いです。
そのため少しでも治療ターゲットを見つけたくて最近出てきた一つが免疫チェックポイント阻害剤です。周術期治療ではなぜかPD-L1関係なく投与されますが進行再発乳がんではPD-L1を計測し免疫チェックポイント阻害剤を投与します。実際の使用感では効果はありますが耐性が出てきます。効果のない時期がやってきます。副作用は大変な副作用が出ることもあります。
また今年のESMO2024でPD-L1発現陽性の早期トリプルネガティブ乳癌(TNBC)で手術または最後の化学療法投与から12カ月未満で再発した患者に対して、化学療法に抗PD-L1抗体アテゾリズマブを追加投与しても化学療法のみと比べ予後を改善できないことが明らかとなりました。この結果は二重盲検プラセボ対照無作為化フェーズ3試験であるIMpassion132 試験の結果示されました。(5月15日から17日にドイツ・ベルリンで開催されているESMO Breast Cancer 2024)
以前もお話しましたが乳がんは基本免疫チェックポイント阻害剤は効き難いです。
早期TNBCの約半数が転移を伴う早期再発を起こし、早期再発後の全生存期間(OS)は約10カ月程度とされ極めて予後が悪いです。アテゾリズマブを追加することでOSの延長効果を目指しまたが認められなかったことで、早期再発への新たな治療の模索が続けられることになりました。
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