見出し画像

高齢者乳がん治療の注意点

高齢者乳がん治療には気を付ける点がいくつかあります。高齢者だから悪いがんであるということは全くありません。ルミナールタイプのおとなし癌が多く基本的方針は変わりません。
しかし個人の身体状態 治療を受けたくない希望が強い 生活状態により変わります。
精神 肉体とも余裕がありませんのでよく考慮して治療を選びましょう。
気を付ける点を書きます。

1.手術について
乳癌手術は高齢でも比較的安全に受けれますが 全身状態も悪く 高齢者で は、平均余命を考えて手術を控えるという選択肢もあります。ホルモン治療が効くタイプでは特におすすめです。

2.薬物療法

どうしても抗がん剤が必要な場合でもよく考えましょう。
アンスラサイクリン系抗がん剤は心臓に堪えますので心疾患を持っている高齢者は控えましょう。
高齢者では生存率を考えるよりも出来るだけ副作用のない抗がん剤で生活の質を重視してください。しびれで転倒して骨折動けなくなったということも頻発します。経口抗がん剤もあります。

3.放射線治療

放射線治療は非常に副作用の多い治療です。受けなくてよければ受けないほうがお元気です。肺炎の可能性も高く、心臓に当たれば心不全にもなります。高齢者では命にもかかわります。高齢者は他の疾患のリスクも増えます。基本の体力を温存することが大事です。

当院では70歳以上で腫瘍径が小さく、ホルモンレセプター陽性なら、放射線治療はなしで、ホルモン治療単独で経過観察も可能という選択肢もあると説明して診療しています。


どの治療法を選ぶかは本人家族の考え方が重要です。

しかし基本は楽な方を選択するようにしてください。ご高齢の方を頑張らせないようにしましょう。結局長生きされますしお元気です。ホルモンレセプター陽性ならなおさらです。

年齢を考慮して適切な治療を進めてくださる医者を選びましょう。高齢者こそセカンドオピニオンおすすめです。


いいなと思ったら応援しよう!