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HER2+早期乳がんにペルツズマブ追加でiDFS改善も全生存率に改善なし

ヒト上皮成長因子受容体2陽性(HER2+)早期乳がんに対するアジュバント療法としてトラスツズマブ化学療法ペルツズマブを追加投与した場合の全生存期間(OS)と有効性を事前に予定されていた第3回中間解析で評価した(APHINITY試験)。intent-to-treat集団4804例を対象に、全生存期間と追跡調査中央値8.4年間の無浸潤疾患生存(iDFS)を検討した。

 その結果、8年全生存率は、ペルツズマブ群92.7%、プラセボ群92.0%[ハザード比(HR)0.83、95%CI 0.68-1.02、P=0.078、有意水準0.006以上]だった。リンパ節転移陽性コホートはHR 0.80(95%CI 0.63-1.00)、リンパ節転移陰性コホートはHR 0.99(同0.64-1.55)だった。リンパ節転移陽性コホートの8年iDFSの最新結果では、ペルツズマブ群のほうが4.9%ポイントの絶対的改善を示した(86.1% vs. 81.2%、HR 0.72、95%CI 0.60-0.87)。iDFSに対する治療の有益性は、ホルモン受容体の状態を問わず認められた。
しかしペルツズマブの追加によるOSの改善は見られなかった。

原文

J Clin Oncol  2024 Sep 11:
Adjuvant Pertuzumab and Trastuzumab in Early Human Epidermal Growth Factor Receptor 2-Positive Breast Cancer in the APHINITY Trial: Third Interim Overall Survival Analysis With Efficacy Update

ペルツズマブ追加してもOSは結局延長なしか。残念でした。トラスツズマブだけでもともと成績が非常に良いからでしょう。試験成績が96点が97点になってもインパクトないですよね。


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