アセクシャルにとっては男女混合集団での擬態が一番キツい

アセクシャルは日本社会世間一般の「女」から外れている。
異性愛社会日本の世間一般では「女」とは「男と寝る性」である。
「男と寝ない性」は、同性である「男」、もしくは「男でも女でもない何か」である。これにしたがうと、男と寝ない私は、世間で言う「女」ではなく、「男でも女でもない何か」なのである。
しかし、社会で生きていく上では「男」か「女」を選ぶしかないので、ガワに合わせて「女」でいる必要がある。

そして、「女」で生きていくなら「女らしさ」を学習していかなくてはいけない。この「女らしさ」は、服装やメイクの話ではない。個人擬態は簡単だし、女らしい可愛さや綺麗さ追求は楽しい。
問題は、男女混合集団の中での「女らしい」振る舞いだ。
・「キツく言わない」
・「集団内のパワーバランスを正確に把握し、決して侵さない」
・「肯定的情感を込めて会話する」
・「どんなに自信があっても然るべき順番が来るまで意見を述べない」
・「論理で抵抗しない」
・「集団行動を嫌がらない」
・「常に周りの人間を見る」
などの、男女混合集団の和を乱さないよう日本人女に刷り込まれた基本所作の話である。まあこれを真似るのがキッツいキッツい…。
なぜできないのかというと、性愛インストールがされていない私は、すぐ自分が「女」であることを忘れて「個人」で動いてしまうからである。そして、他の人間も全員自分と同じで、「個人」で行動するものだと思ってしまう。ここで「私は「女」!」と意識しておかないと、男女混合集団の中で「男でも女でもない何か」になってしまう。そしてそれは「出る杭」になることを意味する。「出る杭」はいわゆる「異分子」になり、やりづらくなっていく。超絶好かれるか、嫌われるかのギャンブルである。
若い頃はよくとも、歳を重ねるほど「女としての落ち着き」が求められ、女の基本所作は強制度を増す。これは社会のルールだと言い聞かせていたが、25歳くらいから分裂状態が本格的にしんどくなった。このままでは男も女も関係なく嫌いになり、人間憎悪になるなと思った。

男女集団職場を辞め、男だけの職人業、女だけのサービス業の両方の職場に勤めた。これは正解だった。分裂の苦しさは無かった。男もしくは女のどちらかしかいない少人数集団だと、全員「個人」に戻るのである。

男女混合集団がとにかくだめなのだとわかった。男女混合集団とは、「性愛の可能性」に満ちた、アセクシャルにとっては異界といえる政治的空間なのである。ほんっと男も女も「モテたい」や「かっこつけたい」のために他人を巻き込んではしゃぐのやめて〜〜〜ここは職場ですぅ〜〜〜〜〜???!!!
濃度の違いはあれど、混合集団の中には女基本所作の強要が、確固として存在する。この擬態がものッッッすごくめんどくさいし、ものッッッッッすごく嫌いだ。
女が個人で動くと、男論理の「組織行動」を乱し、女論理の「男の存在を前提とした規律ある集団行動」も乱す。う〜〜んもう無理、難しすぎ、キルミー

原因がわかっているので、もう男女混合集団に属すのをできるだけ避けようと考えている。今後は「一つの性で固まった小集団」か、「個人」でできる仕事だけにしたい。
現在は新しい仕事を2つ始めた。集団でなく、個人で完結できる仕事である
。そして片方は女だけの小集団で、もう片方は男だけの小集団。男女混合集団内での擬態ストレスは無い。最高〜〜〜〜〜!!!!!!!

アセクシャルのストレス軽減策として、意識して男女混合集団を緩く避けていくのはおすすめである。セルフ隔離策です。


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