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姫乃いつき撮影会 参加記録 2024

天気も良く、暖かな日曜日。
仙台メディアテークの裏入り口から表へ向かう。
カフェは少し遅めのランチを楽しむお客で席が埋まっているようだ。
売店の書棚には、気になる写真集がある予感。
それはあとでと、東北ポートレートの撮影会集合場所に、向かう。

スタッフの女性とは、実は、10月22日以来で、思わず笑みがこぼれていた。
大きなガラス窓からの日差しは眩しいぐらいで、穏やかな空気が、満ちていた。そう言えば、その日も定禅寺通り周辺撮影会だった。
前回の反省を活かし、今回は後半二枠を予約した。前回は最初の一枠。
反省というのは、歩きながら撮影することになるのだが、エリアが限られてしまい、バリエーションが少なくなってしまったこと。

前日、姫乃さんの投稿を見逃していて、装いについて、何も知らないで車を走らせたのだが、その辺は、まぁいいかと思っていて、私服なんだろうから、白いセーターとか、マフラーとか、コートとか、そんな感じだろうなと。

甘かった。

楽しそうに一枠目の依頼者と現れた「姫乃いつき」様は、三つ編みで、高校生風ブレザー姿に、白い青のワンポイントが入ったソックス姿。

正直に言おう。
「カワイイ」

前の方と会話する姫乃さんを眺めながら、何といおうか迷っていた。
何故なら、以前、制服とかコスチュームとか、あまり好きではないと言ったことがあるからだ。

実のところ、制服と言っても、ブレザーは別なのだ。
ブレザーはどちらかというと洋装の正式型というイメージで、制服のカテゴリよりも、私服の延長線上という感覚なのだろう。

とにかく、よく似合っている。


挨拶もそこそこ、撮影打ち合わせ。
結局、可愛いとは言えずじまい。

マフラーをしていたのだが、それはなしにして、その代わり黄色のコートを着て来ているとのことだったので、そちらを羽織ってもらおうか。髪は、うん、下ろそう。メイクも少しばかり派手にして。

そんな内容のことを相談して、最初の10分を使う。

さて、今回は中望遠をテーマに撮影することにしていた。
苦手なのもあるし。車に乗る前には、70-200のみ使用と考えていたが、道中、そういえば50mmをあまり使っていなかったことを思い出し、私にとっては中望遠域のレンズと思っていることもあり、2本体制に変更。

あとでフィルターを掛ける前提で、ピクチャーコントロールはナチュラルに。ホワイトバランスは、晴天。


この時期になると、空の色、空気の色が青めいてくる。
西公園へ向かう歩道、世の中のこと、あれからのこと、そんな世間話をしながら、歩く。

撮影中もまた、世間話をしながら、シャッターを切るのだが。
100mmを超えたあたりから、会話できる距離ではなくなることを、実感した。

身振り手振りもしてはいたが、それよりも姫乃さんの動きが私の先を行っていて、とにかくシャッターを切った。姫乃さんを撮れることが嬉しくて、ポージング動作中も、押し続けた。それは、時間が惜しいと思う反動でも、あったのだろう。使う使わないという次元の話では、ないのだ。そうせざる得ない衝動、なのだ。


西公園を選んだのは、午後の斜光に、順逆両光で撮影するためだ。
黄色のコートが、映える。

そう、太陽のような姫乃さんには、暖色のコートがよく似合うのだ。

春のような陽気に、木々の芽吹きも早まったように感じる。


70-200を使う時は、200側が多くなっていた。今回は、それよりも70側中心に写真を撮った。
これはいつものことなのだが、どちらにしても、中望遠の方が全身を入れたくなる。今回の場合、50mmでバストアップを、ということが多くなった。
バストアップをズーミングしたのは、歩道橋での場面、だけだったのでは。


最初の頃、焦点距離に関わらず、ほとんどすべての写真がバストアップだった。今もだが、全身を撮ることが、苦手だ。
これは、ファインダーやモニターで確認する時、表情の細部まで見えない不安がそうさせるからだ。
できれば、三脚にカメラをセットして、ファインダーから目を離し、実際に見ながらシャッターを押したい。

ズームは癖になる。遠くを寄せるというズームは、やむを得ず、なわけだが、35でも50でも70でも200でも撮れるのに、どれかを選ぶ行為に、その人それぞれの意図が必要になるのだが、私は、安易にズームしてしまうのだ。

それを防ぐために、35mmという、見ている範囲で写すことを強要しているのかもしれない。

それを封印してみて、アングルの制限を強く感じ、そこに工夫が必要なんだと、自分の力のなさを実感してしまった。

それはともかく、今回、順光は強いイメージ、韻なイメージで、逆光は、柔らかく、明るいイメージで。



そのことは姫乃さんに伝えていなくて、どっちも結果撮ることになるし、そういう想定は、無意味なほど、いつきさんは、いつきさんであれば全て善し、ということになのだ。そういうことを忘れるくらい、いつきさんは楽しい。



いつきさんと世の中のことを話しながら、撮影は続いていくのだが、私にはあって、いつきさんには無いものがあるようだ。
それは、フラストレーション。
正確に言うなら、いつきさんはそういうことも、そう思わない、プラスのことに変換できるようだ。すばらしい。なのでいつきの辞書に、ないのだ。
いつきさんといると、そんな気持ちも些細なことになっていく。いつきの笑顔は、万能薬ということか。

撮影後半、鐘の声が鳴り響く。
大崎八幡宮の、それの日と、姫乃さんは気づいて。
私がいつきさんの年代の頃、デートがてら、見に行ったことがある。
凄まじく、神秘的で。
そうか、姫乃さんはもしかすると、神なのかもしれない。
そう、帰りの車で、呟いて。


後半に続く・・・。


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