イタコさんに会った話
イタコさんというと恐山が有名ですが、恐山にイタコさんが住んでいる訳ではありません。イタコさんは青森県内各地に住んでいて、夏の恐山大祭の時に各地から集まります。それ以外は地元でイタコさんしています。(他県のことはよくわかりませんが岩手とかにもいるようです)青森や八戸などに住んでいます。私が選んだのは八戸の蕪島神社の近くに住む若いイタコさんでした。
彼女は、盲目ではありません。イタコ=盲目、という訳ではないのです。5月だというのに冷たい風と雨の日、蕪島(ウミネコの島・蕪島神社があります)近くの八戸線鮫駅からタクシーに乗りました。
口寄せは初体験です。イタコさんは口寄せ以外にも吉凶の判断・病気のアドバイスや、、結婚相手との相性を判断したりもします。お部屋には神棚のような祭壇があって、彼女は白い衣装(羽織?)を来て現れました。必要なのは、降ろしてもらう人の没年と年齢だけ。亡くなった時の姿で現れますからねー、足を楽にしてねー、とイタコさん。まず般若心経から始まりました。イタコさんによっては祝詞から入る人もいて、それぞれのお師匠さんの方法を受け継いでいるのでしょう。
般若心経が終わると今度は不思議な唄を歌い出しました。何と言ったらいいのか、土着宗教のような(?)シンプルな唄です。”冥土の土産にゃぁ何がいいぃ、極楽浄土のお念仏・・・”みたいなそんな感じで、その内そのリズムのままに語り出しました。
まず母を呼んでもらいました。母は病院を変わったら良くなるかと思ったりもした。と言っていました。母は弟のいる東京の大きな病院に転院していましたから、そんな言葉にやっぱり本当に母なんだ、と思いました。他の人たちとも少しは会っている、と。これもちょっと人付き合いが苦手な母らしさを感じました。
何度も何度も言っていたのは・・・、もっともっと甘えて欲しかった。(私はツッパリで甘えるのが下手でしたから・・・)もっともっと役に立ちたかった。本当にごめんね、何の役にも立てなかった。本当にごめんね・・、と。お母さん、それは違うでしょ!?ごめんなさいは私のセリフだよ。謝らなければならないのは私の方だよ。今になって、ああもすればよかった、こうもすれば良かった、と罪悪感にも似た後悔しているのは私の方だよ!?お母さん、どうしてお母さんが謝るのよ?
母はその時も今も、いつも変わることなく私を愛してくれていました。変わらぬ母の愛を知って、ただただ涙でした。涙が溢れて止まりませんでした・・・。
”今日はほんとにほんとにありがと。ほんとにほんとにありがとう。どうかみんなで仲良く、体にだけは気をつけて元気でね。もし何かあったら3日以内に夢で知らせるから気をつけてね。ほんとにほんとにありがとう。”・・・お母さん、どうも有難う。ただ私は霊感ゼロ・受信度限りなくゼロなので・・・。夢でちゃんと見れるといいんだけど。爆睡で見れなかったらごめんね。
”今は元の健康な体になって、ちゃんと仏へと祭られていますから何も心配しないでください。いつも見守っていますからね。きょうはほんとにほんとうにありがとう。
その後父を呼んでもらいました。私が8歳の時に結核で他界した父です。父も何にもしてあげられなかった、本当にすまない・・、と言います。いいえ、お父さん。私はあなたに西式健康法をしっかり仕込まれたお陰で自然療法に興味を持ったんですよ。(青汁育ち)だからランドーン博士との出会いもあり、蒸留水やスプラウト療法ともご縁を頂きました。”もう顔も忘れられているかと思ったりもした”お父さん、お仏壇にある写真のあなたは今の私よりずっと若いのです。あなたは40代で逝ったのだもの。あなたの顔を私が忘れるなんて永遠にありえませんよ。あなたは50年経っても100年経っても変わることなくお父さんです。父もちゃんとあちらの世界で元気で暮らしているようでした。(ただ母と一緒に暮らしている訳ではないようです)
今回の口寄せでは亡き両親はいつも私を見ていてくれている、ということをしっかりと確認することが出来ました。そしてただただ愛してくれている、ということも知りました。愛してくれているハズ、という観念や理屈ではなく肌で愛を感じることが出来ました。とても癒されたことは間違いありません。
よく幸運を呼びたかったら、お墓参りとご先祖供養をしっかりすること、と耳にします。でもそれは形から入る方法なんでしょうね。あちらの世界に旅立っても、両親は変わらずあいしてくれる。ご先祖様も子孫を案じて、愛してくれている。その愛を知って、お礼を申し上げなさい、ということなのだと思います。愛する人は、必ず助けたいとおもてくれていますから。、”もしもし、アタシ。今月ピンチなの。助けて!””もしもし、アタシ。今体調不良でね。具合が悪いの。助けて頂戴!”あちらの世界の縁のある御魂は、愛してくれる子孫や我が子に力を貸さないはずがあるでしょうか。愛され、頼られれば、何が何でも、何とかしてあげたい、これが助けにつながるのではないでしょうか。愛はつなぐ力。ブラウン・ランドーン博士は力説します。愛の持つ本当の力は、愛するものとつながることが出来る力だと。愛すれば愛される、これが道理なのです。
失った人への悲しみを抱いている方、一度八戸のいたこさんを訪れては如何でしょうか。癒されることだけは、間違いなく私が保証します。