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仏教界の重鎮と宇宙人弟子(後編)

Mさんと私はようやく一息ついた。

怒涛の入浴介助がもうすぐ終わる・・・。

しばらくの後、松田さんに声をかけてお風呂から出てもらう。

宇宙人:「松田さん、出ますよー。椅子が自動で動きます」

松田:「・・・はーい。あぁ~!気持ちよかばい〜」

松田さんの体を拭き、髪を拭き、ドライヤーで乾かす。

松田さんは、すっかり機嫌が直り、優しい口調で話し始めた。

松田:「ねぇ、私の背中を拭いてくださらない?」

松田さんの背中を拭き、ユースキンを塗った。

背中を今一度見てごらん?濡れとろうが?と松田さんは言う。宇宙人を信用していないのだ。

松田:「私の背中を見てごらん~??ほれ〜?」

宇宙人:「拭いて保湿クリームも塗りましたよ」

あぁ、もうすでに私たちの休憩時間が過ぎている。

喉が渇いた、お腹すいた、甘いもの食べたい…トイレ行きたい・・・煩悩炸裂。

追い討ちをかけるように

「私の背中を見てごらん~??」

(だから拭いたって言ってるのに)

Mさんが松田さんの服を着せる。私は浴槽を洗わねば。

松田:「私の背中を見てごらん~??」

宇宙人:「拭きましたよ!大丈夫!」

松田:「私の背中を見てごらん~??」

(なんなの?さっきからこの一方通行が迫ってくる感じは)

弟子は二手に分かれて無言で作業を始めた。

「私の背中を見てごらん~??」

(何だか…もう笑えてくる)

私はゴミをまとめる。Mさんは松田さんの髪の毛をクシでとかしている。

「私の背中を見てごらん~??」

(ちょっと…もう…しつこい。可笑しくなってくる)

私は洗濯物をまとめ、床を拭き、Mさんは松田さんにメガネをかけ、靴を履かせている。

「私の背中を見てごらん~??」

(シュールすぎる…)

「私の背中を見てごらん~??」

と言いながら重鎮はこの後、お昼ごはんを食べにレストランへ行った。

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昔から、偉い先生の「ワタクシの一言で10を知れ」みたいなことがよく分からなかった。

あと威嚇を込めた一方通行的な問いをする人に対しての、正しい答えも分からない。

私が唯一出来ることは、そんな人を見ると心の底から笑いが込み上げてきて、もんのすごく楽しくなってしまうこと。

笑ってはいけないってことが、一番面白いんだもん!

ちなみに松田さんの聴力は、すこぶる良い。

✳︎目上の人をよく怒らせてしまう人や、発達障害かも?と気にしている人に向けてエールを送りたくて書いたが、イマイチ応援歌になっていなかった。

✳︎もっと短い記事で、内容を詰め込みたいのだが難しかった。

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