D&D2024年版モンクまとめ
こちらは、7月9日に配信された「New Monk | 2024 Player's Handbook | D&D」の内容を日本語でまとめたものです。必要な解説も中に交えて説明するので、初心者も読みやすいです。
モンクと東洋文化
モンクはもともと、東洋・中華・武侠を組み合わせたファンタジーを体験するためのクラスでした。日本語版で翻訳チームが最高にかっこいい漢字を組み合わせた能力名を与えることでこのファンタジーがより一層強化されました。
プレイテスト時にはモンクが「東洋過ぎる」ことから、より汎用的なネーミングにしようという動きがあり、その結果が今回のモンクの名称変更の多くの動機となっています。
果たしてこれが良いものだったかは定かではないですが、筆者的にはバリバリヨーロッパ系のシャルルマーニュやクルセイダーから着想を得ているパラディンがそのままなのは少し矛盾しているので……おそらくは内部の倫理委員会が通さなかったのでしょう。
続いて、動画の内容です。Beyondの記事でしか語られなかった内容も組み込んでいます。表示レベルは動画で解説された順番にしてます。
概要
2024年のPHBではモンクに一番力をいれるべきだと感じた。
今までの満足度スコアで低い数字を出していたのが一番の理由だ。
レンジャーと同じように、モンクもほとんど新規クラスと言っていいほど変更が加えられた。
以下が他の変更点だ。
武術(1レベル)
モンク武器の定義変更:単純武器だけではなく、軽武器特性をもった軍用武器も含まれる。モンク武器=武術ダイスを置き換えることができるもので、高レベルになると武器そのもののダメージが強くなる。
ボーナス・アクションとして素手攻撃を行える。前は攻撃アクションが必用だったが、それが不要になった。
武術ダイス:素手攻撃またはモンク武器のダメージの代わりにd6を使用する。これはモンクレベルで最大で1d12まで強化される。素手攻撃のルール変更
3つのことができる。ダメージ(1+筋力修正値)、つかみ、押出
もともと3つバラバラのルールだったものが一つに融合された。
これにより、モンクは武術のボーナス・アクション攻撃でもつかみや押し出しができる。つまり、素手攻撃に武器マスタリーが与えられた。手数が増えてくると、複数の敵に掴んだり、押し出したりの立ち回りができる。
掴みや押し出しはセーヴを必用とするが、モンクの場合、その難易度を決める時モンクは筋力と敏捷力の好きな方を選べる。気→Monk's Focus(モンクの集中・2レベル)
「Focus Points(集中点)」を有し、これを用いて特殊効果を発動できる。2014年のデータを使用するときも気を集中に置き換えるだけで良い。ここで使えるすべての特徴には「集中を消費せずに使用できる能力」と「消費したときの能力」が付与されてる。護身:離脱アクションをボーナス・アクションとして使用できる。
集中を1点消費することで、ボーナス・アクションとして離脱および回避を行える。疾風足:早足アクションをボーナス・アクションとして使用できる。
集中を1点消費することで、ボーナス・アクションとして離脱と早足を行い、跳躍距離を倍にできる。連打:集中を1点消費することで1回のボーナス・アクションとして2回の素手打撃を行なえる。
この能力の「無料版」はすでに武術に組み込まれてるボーナス・アクションの攻撃である。
集中点がなくても「モンクっぽいことができる」。それでもモンクは集中が足りないと感じた。
Uncanny Metabolism(休息の呼吸・2レベル)
イニシアチブをロールしたとき、すべての集中点を回復できる。そうした場合、武術ダイスをロールして、結果+モンクのレベルに等しいHPを回復する。大休憩に一度しか使用できない。矢止め→Deflect Attacks(受け流し・3レベル)
これはもともと遠隔攻撃にしか使えない「矢止め」だったが、もう少し使いやすい特徴にしたかった。リアクションとして殴打、刺突、斬撃ダメージを与える攻撃を受け流せる。そうした場合、ダメージを1d10+敏捷力修正値+モンクレベルぶん減少させる。これによってダメージが0になったら集中点を一つ消費して反撃ができる。
目標は5ft(1.5m)または遠隔攻撃の場合は60ft(18m)までを選べる。 目標は敏捷力セーヴを行い、失敗すると武術ダイスと敏捷力に応じたダメージを与える。成功してもダメージは入る。
Deflect Energy(元素跳ね返し・13レベル)
もはやダメージ種別を選ばずに受け流しができる。Superior Defense(上級の守り・18レベル)
ターン開始時、集中を3点消費する。 1分間または無力状態になるまで、力場以外の全てのダメージ種別に抵抗を得る。金剛心→Disciplined survivor(百戦錬磨・14レベル)
全てのセーヴィング・スローに習熟を得る。セーヴィング・スローをして失敗したなら、集中を1点消費してこれを再ロールし、新しいほうの結果を用いることができる。
名称変更のみ。Self-restoration(自己再生・10レベル)
ターン終了時、魅了、恐怖、毒状態から一つを選択し、それを終了できる。水や食料を取らなかったことから消耗段階を得ることがなくなる。Heightened Focus(精神統一・10レベル)
連打、護身、疾風足が強化される。連打:集中を1点消費することで1回のボーナス・アクションとして3回の素手打撃を行なえる。
護身:集中を消費して護身を使用した場合、武術ダイスをロールした結果に等しい一時HPを得る。
疾風足:集中で疾風足を発動した場合、5ft(1.5m)以内にいる大型以下のクリーチャーを選択して、一緒に移動できる。一緒に移動するクリーチャーは機会攻撃を誘発しない。
朦朧撃(5レベル)
少し弱体化されたが、モンクの他のところが大幅に強化されたので許してほしい。1ターンに一度の使用制限がかかった。
近接武器攻撃をヒットさせた時に集中を1点消費することで朦朧撃を使える。目標は【耐久力】セーヴィングスローをし、失敗すると君の次のターンの開始時まで朦朧状態になる。目標がセーヴに成功した場合、目標の移動速度は半減され、次の目標への攻撃は有利になる。
その他の動画で語られなかった能力
Empowered Strikes(強化打撃・5レベル)
素手攻撃のダメージ種別を力場に変更できる。
*これは魔法の武器じゃないと刺突、殴打、斬撃を与えられない相手に使用するのが想定されている。Perfect Focus(全集中・15レベル)
イニシアチブをロールする際に集中が3点以下なら、集中を4点まで回復する。Body and Mind(身心一如・20レベル)
敏捷力と判断力が4上昇し、それぞれの最大値が25となる。
続くサブクラスは名称を変更し、今まで◯◯門だったものが◯◯の闘士(Warrior of~)になった。
慈悲の闘士
最近出たばかりのサブクラスなので一番変更が少ない。
命の手や市の手が新しいモンクの特徴に合うように文言を変更し、ほんの少しだけ調整をした。
四大門→元素の闘士
残念ながら四大門は満足度があまりよろしくなく、2014年版において一番満足度が低かったとまで言えるだろう。置き換えたほうが良いと思い、実際にそうした。
これは元素次元の力を引き出し武術に組み込むモンクだ。
Elemental Attunement(元素を纏う・3レベル)
エレメンタリズムの初級呪文を得る。
炎、水、風、土を使って素手攻撃の間合いを10ft(3m)伸ばす事ができる。これは「ミスター・ファンタスティックやワンピース*」をしているわけではなく、元素を用いて攻撃をしていることになる。
間合いを伸ばした場合、ダメージ種別も元素に対応したものに変更可能で、相手がセーヴに失敗したら押し出す事もできる。
選べる種別は酸、冷気、火、電撃、雷鳴。
*マーベル・コミックスのファンタスティック・フォーの体を伸ばすヒーローや、ワンピースのルフィのゴムゴムの実のように体を伸ばすこと。それにしても「One Piece-ing(ワンピースをする)」が動詞として使われるのは初めて見た。
6レベル
魔法アクションとして集中を消費して、120ft(36m)先に元素の爆発を発生させることができる。
20ft(6m)半径の爆発で、武術ダイスと選んだ元素に応じたダメージを与える。
一番大きい変更点は、各種能力を使用するたびにダメージ種別を選び直せることだ。これはこのモンクは混沌なるすべての元素の集合体を操っているからである。
11レベル
元素を纏うを発動したとき、飛行速度と水泳速度を得る。Elemental Epitome(元素の完成・17レベル)
「元素を纏う」特徴を使用した時、追加でこの恩恵も得る。ダメージ抵抗:酸、冷気、火、電撃、雷鳴のいずれかを選択し、それの抵抗を得る。ターン開始時、抵抗するダメージを入れ替えても良い。
破壊する歩み:疾風足を使用したとき、移動速度が上昇する。そのターン中、君が他のクリーチャーに接触したとき、ダメージを与える。
打撃強化:素手攻撃を使用する時、この特徴で選んだ抵抗する属性に等しい追加の武術ダイスのダメージを与える。
影の闘士
影の術(3レベル)
ダークネスを発動する能力はそのまま、ついでに発動したモンク本人は中を見通せる。さらに、のちのレベルの影渡りをこの暗闇に使って転移することもできる。影渡り強化(11レベル)
集中を消費すれば、影渡りの「薄暗い光や暗闇を必用とする」制限を無視できる。強化した場合、転移直後にこのボーナスアクションの一部として素手攻撃を行う事ができる。影の衣(17レベル)
集中を使用して起動する能力。
・不可視状態を得る。
・他のクリーチャーや物体をすり抜けることができる。
・集中を消費せずに連打が使用できる。
影で転移するこのモンクとミスティ・ステップで逃げ回るフェイ・ワンダラーのレンジャーが追いかけっこをしているのを想像した。でも、これはPvPゲームじゃないことに注意!PvPをどうしても考えてしまう人は、モンスター能力にやりたかった要素を組み込むことをお勧めする。
開手の闘士
基本的な能力をそのまま、より使いやすくしてみた。
肉体の完成(6レベル)
自分を回復する能力で、もとがアクションだったのをボーナス・アクションにした。
さらに、1日に複数回使用できる。Fleet Step(俊足・11レベル)
ボーナス・アクションとして「疾風足」以外の能力を使用した場合、「疾風足」も一緒に使用できる。
*肉体の完成を使ったら、回復と疾風足が一緒にできる。激震掌(17レベル)
もともとはHPを即座に0にするものだったが、ここではバカみたいなダメージ量を与えるようになった。
基本的にどんな相手もHP0にできたことから「無限のダメージ」を与えてしまう不具合があった。