D&D2024年版 拠点(Bastion)システム
こちらは、10月2日に配信された「New Bastions | 2024 Dungeon Master's Guide | D&D」の内容を日本語でまとめたものです。必要な解説も中に交えて説明するので、初心者も読みやすいです。
プレイヤーの拠点にしてお金の使い道
拠点システムの目的は主に二つです。日本ではあまり馴染みのない遊び方かもしれませんが、D&Dは長期で遊ぶことがものすごく楽しいシステムで、その長期で遊ぶ時の「帰るべき場所」として機能するのが拠点の1つ目の目的です。
もう一つは……高レベルになるとお金の使い道がなかなか無いので、手軽な投資先として機能するのが2つ目の目的です。
実は過去版にも存在していて、そのときは「Stronghold」と呼ばれていました。どちらかと言うと最高レベルまでに達したファイターなどの特典としての側面が強かったです。
以下動画の内容です!
拠点システムの必要性
大前提として、基本的にプレイヤーは不動産を持つことが好きだ。前にも話したけど、レイヴンロフトで不動産を与えるのが好きで、価格が安い代わりに何かが住んでいるという設定もあるけど、拠点はキャラクターの個性や背景を深める素晴らしい方法だと思う。拠点システムがなかった頃から、自分の宿屋を描いたりしていたけど、これが実際にゲーム内で意味を持ち、他のプレイヤーと協力できるわけだ。
プレイヤーが物語の一部となり、キャンペーンのストーリーを形作る手助けをするアイデアとして拠点が採用された。
拠点はプレイヤーが世界観にもっと投資し、「この場所は自分のものだ」と言える仕組み。
拠点はダンジョンマスターがダメージを与えるための道具ではなく、プレイヤーのためのものであり、ダンジョンマスター目線のプチ体験でもある。
自分のためにNPCを作り、自分のために場所を描写し、マップを描くこともでき
拠点はキャラクターの冒険とは別に進行し、プレイヤーがゲームの外で発展を楽しむことができる。
拠点の成功の鍵は、冒険者としての生活に干渉しないことだ。キャラクターたちは冒険を続け、その背後で拠点は動いている。いつでも拠点に戻ることができ、友達と過ごす時間を持つこともできるが、その間も拠点は進行し続けている。
拠点には様々な施設があり、各施設はゲーム内での利益を提供する。
盗賊なら盗賊らしい拠点、クレリックやドルイドもそれぞれの職業に合った拠点を持てる。
劇場やパブの運営も可能。
拠点システムの将来性も大きい。
ドラゴン金貨では酒場経営のシーンがあり、シナリオが拠点システムを活用することもある。
レイヴンロフトでは、拠点が必ずしも安全ではないという設定も可能。
現実世界では墓場や呪われた城を拠点とするのは考え難いが、ファンタジーなら何でも有りだ。
拠点ターンは大体7日ごとに発生し、キャラクターがその場にいる場合は、それぞれの施設に命令を下すことができる。例えば、アイテムを作成したり、収穫したり、誰かを採用したり、研究や取引を行ったりすることができるんだ。
DMはキャンペーンの進行状況に応じて、拠点ターンの頻度を加速させたり遅らせたりする柔軟性を持っている。
場合によっては、DMが「よし、ここで止めて拠点ターンを取ろう」と言ったり、「このセッションを終えたら家に帰って拠点ターンを行い、次のセッションで何をしたか教えてくれ」となることもある。
セッション開始時に前回の振り返りだけでなく、拠点で何が起こっていたかも共有するということもできる。また、プレイヤー同士で拠点を組み合わせることも可能で、自分専用のウィザードタワーを持つこともできれば、強固な要塞や施設を共同で築くこともできる。拠点を統合して、各自が特定の施設操作しながらも、全体として一つの構造物としての利益を得ることができる。
基本的な施設は、寝室やダイニングルーム、パーラー、キッチン、ストレージなどが含まれている。
施設追加のコストも提示されている。例えば、「これには20日かかる」「これには45日かかる」「追加するにはこのゴールドが必要だ」といった具合に計画を立てることができる。
ここ10年で多くの人々が「キャラクターのお金を何に使えばいいのか分からない」と言ってきたけれど、これはその答えの一つだ。自分の描いた拠点の地図を拡張し、さらに基本施設を追加することで、お金を費やすことができるんだ。そして、特別な施設はレベルによって解除され、レベルが上がると自動的に追加できる。特別施設はゲーム内で効果を提供するものだが、基本的な施設(寝室など)は見た目だけのものなんだ。
拠点ターンで行える命令
作成(Craft)
強化(Empower)
収穫(Harvest)
維持(Maintenance)
採用(Recruit)
研究(Research)
取引(Trade)
29の特別施設があり、キャラクターが5レベルになると2つの特別施設を持ち、9レベルでは4つ、13レベルでは5つ、17レベルでは6つまで持つことができる。それぞれの拠点が6つ以上の特別施設を持つことはないんだ。
例えば、5レベルでウィザードタワーを作るとしたら、魔法研究室と庭園を持つことができる。その庭園も装飾用、食料用、薬草用、毒用など、様々な選択肢があり、発行する収穫命令に影響を与える。
拠点にある特別施設の例
魔法研究室
武器庫
兵舎
図書館
温室
鍛冶場
聖具保管室
店
訓練場
観測所
劇場
ギルドホール
デミプレーン(疑似次元空間)
転移のサークル
拠点のアートも用意されていて、それぞれのレベルに対応した条件も設定されている。従業員の数はどれくらいなのか、コンテンツが非常に豊富なんだ。拠点の成長の一連の絵画では、拠点の進化を描いているんだ。各段階で次のステージに向けた建設の進行が見えるところにある。
新しい施設がまるで「ポン」と現れる感じで追加されるが、これはストーリー中に、拠点はずっと建設中で、新しいレベルに達すると工事が完了し、新しい施設ができる。さらに次に向けての建設が始まるんだ。
例えば、デミプレーンを作ったり、その中にいることで「秘術の耐久力(Arcane Resilience、バフの一種だと思われる)」を得られる。自分の領土にいるからこそ、敵を迎え撃つ際に強くなれるんだ。こういった要素が今回の目玉だ。
さらに、冒険者ギルドやパン職人ギルド、酒造ギルド、泥棒ギルドなど、自分だけのギルドを作ることもできる。夢が膨らむよ。
拠点の構造の中で、プレイヤーがダンジョンマスターと一緒に、ページに書かれている以上の要素について話し合う機会もある。例えば、訓練場や瞑想の部屋は、キャラクターに直接的な影響を与える。こういった場所は、ゲーム内だけでなく、ストーリー作りのためにもキャラクターに影響を与えることができる。
拠点がさらに面白くなるのは、シティー設定で競争が発生する時だ。、例えば、2つの競合する泥棒ギルドがあり、自分がそのうちの1つを所有しているというストーリーフックを作ることができる。また、2つのパブが隣り合わせにオープンするなど、現実世界でよく起こるようなこともストーリーに取り入れることができる。シナリオ作りのためのフックが多くある。
拠点の崩壊に関するルールもある。プレイヤーが拠点を維持していれば崩壊することはほとんどないが、「デック・オヴ・メニー・シングス」で「破滅のカード」を引くと、拠点が崩壊する可能性がある。しかし、それはまた別の話で、あまり頻繁に起こることではないので安心してほしい。
さらに、拠点の施設や重要な情報、誰がその施設を運営しているのかを追跡するための「拠点トラッカー」も用意されている。プレイヤーにこのシートを渡して、管理してもらうことができる。
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