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D&D2024年版レンジャーまとめ

こちらは、6月29日に配信された「New Ranger | 2024 Player's Handbook | D&D」の内容を日本語でまとめたものです。必要な解説も中に交えて説明するので、初心者も読みやすいです。

いつもの前置きは無し、レンジャーについて話そう

筆者はレンジャーというクラスについては色々と語りたいことがあるので、ここではいつもの前置きの代わりに、自分目線におけるレンジャーの遍歴を語りたいと思います。

2014年のレンジャーは他のクラスと比べて一番扱いが難しかったです。1レベルで獲得する自然探検家は世界を旅するときに特定の地形に対して道に迷わなかったり、食料が確保しやすいものが有りました。これ単体ではとても強いですが、一つだけ問題があります。「使えるかどうかはシナリオとDM次第」です。

森が得意なレンジャーです!と言って、森が一切出てこない場合、1レベルのレンジャーは何の特徴も無いファイターより習熟が少ない戦士です。
「そんなの、PLのスキルでカバーできるじゃん」と思うかもしれませんが、シナリオのネタバレを踏まないとそもそもどういう場所に行くのかわかりません。地上で育ったレンジャーをやって、その後アンダーダークへと連れて行かれたら特徴がすべて死にます。
これを理解しているDMの下であればこれから紹介される2024年レンジャーより強いですが、組み合わせによっては全く機能しない能力というのはなかなかバランスがし辛いです。

今回の2024年版レンジャーはこういった「具体性のなかった」フレーバー特徴をすべて後に紹介されたターシャの万物釜という本の特徴と入れ替えてます。

概要

レンジャーは一番手を加えられたクラスだ。
プレイテスト時では一緒にバランス調整をしたが、ここでは色んなところを再度見直して微調整した。
レンジャーはよく遊ばれているクラスでありながらも、満足度調査ではあまり良い成績を残していなかった。

今回のレンジャーと一緒にモンクも大きな改訂を受けて、レンジャーは新しいクラスといえる。

以下が他の変更点だ。

  • 呪文発動能力(1レベル)
    2レベル獲得だったのが1レベルになった。パラディンと同じだが、呪文発動はクラスの根幹となるものなので、2レベルまで待つ必要は無い。
    初めてこのクラスを使う人も呪文発動に早めに慣れることが大事。

    さらに、大休憩を終えるごとに準備した呪文を一つ入れ替えることが可能だ。もともとレンジャーの呪文はダメージよりサポートに特化したものが多く、必要なときに必要な呪文を準備できるのは大事だ。

  • 得意な敵(1レベル)
    ハンターズ・マークを常に準備済みになり、大休憩までに2回呪文スロットを消費せずに発動可能。
    ダメージを増やす効果もあるけど、追いかけるときにも役立つ。

    レベルが上昇すると、ハンターズマークを強化する能力も現れる。

  • 武器マスタリー(1レベル)
    ハンターズマークで魔法的な行動をしながら、戦士の側面である武器使用においてはマスタリーでより広い戦術を行えるようになる。レンジャーはもとより多くの武器に習熟しているので、今後はマスタリーの選択しだいでいろんなレンジャーが生まれるだろう。

  • 戦闘スタイル(2レベル)
    ファイターとおなじく、どのような戦闘スタイルも選べる。
    おさらい:戦闘スタイルは特技化してるので厳密には「戦闘スタイル特技を一つ選ぶ」です。

    ただし、武器の使用を行わないレンジャーを目指すならば、代わりに「ドルイド戦士」という特徴を得ることで、ドルイドの初級呪文を獲得できる。

  • 腕利きの探検家(Deft Explorer・2レベル)
    もともとはターシャ本に収録されていた入れ替え能力。好きな技能一つに習熟強化し、言語2つを覚える。レンジャーとは野外で活動することを目的としたクラスなので、その側面を強化した。
    (これはターシャ本の腕利きの探検家の「熟練者」の内容)

  • 放浪者(Roving・6レベル)
    重装鎧を着用していない限り移動速度+10ft(3m)。歩行移動速度に等しい水泳速度、登攀速度を得る。
    地形にかかわらず探検することに一番特化しているのがレンジャーだ。

  • 習熟強化(9レベル)
    習熟強化できる技能+2個。バードとローグはこの時点で4つなので、ついていける。

  • 疲れ知らず(Tireless・10レベル)
    任意のタイミングで自身に一時HPを与える事ができる。使用回数は1日で制限がある。
    さらに、小休憩を行うだけで自身の消耗段階を減らす事ができる。

  • Relentless Hunter(執拗なる狩人・13レベル)
    ハンターズマークの集中がダメージで途切れることがなくなった。*集中が必要なくなったわけではない。

  • 大自然のとばり(Nature's Veil・14レベル)
    ボーナス・アクションとして、次のターン終了時まで不可視状態になれる。
    2014年のレンジャーは通常の「隠密」アクションを行う必要があったが、今では魔法的に不可視になることができる。

  • Precise Hunter(精確なる狩人・17レベル)
    ハンターズマークをかけた相手に対する攻撃ロールが有利になる。

  • 野生の勘(Feral Senses・18レベル)
    疑似視覚30ft(9m)を獲得する。目が見えなくても周囲を感知できる。

  • 仇敵殺し(Foe Slayer・20レベル)
    ハンターズマークのダメージが1d6から1d10になる。

新しい特徴、呪文リスト、ダメージを組み合わせると真の野外におけるサバイバルの専門家となれるだろう。一番大きな変更点は能力を「具体化」したことだ。2014年のレンジャーは地形やモンスターに対するフレーバーだけはあったが具体的な体験が薄かった。

ビーストマスター

2014年との共通点は名前とテーマだけだ。ほぼ新しいサブクラスとして生まれ変わったと言える。ターシャの万物釜ではレンジャーが相棒として使用できる野獣の精霊を紹介したが、今ではサブクラスの方へと輸入され、それを起点としてバランス調整をした。

相棒と一緒に行動しやすくなり、命令がアクションからボーナス・アクションになる。
用意している野獣のデータは3つ(陸、海、空)で、だからこそレンジャーとともに成長し易いようにバランスができる。

ビーストマスターはレンジャー単体を使用するだけではなく、相棒を操作する楽しみもある。相棒はまるでパーティの一員であるかのように行動できる。

レベルが上昇すると相棒が強くなっていき、最高レベルの特徴では相棒と呪文を共有できる。自分を対象とした呪文を使った時、相棒にも同じ効果を適用できる。自身と相棒にキュア・ウーンズ使えば、二人共回復する。(30ft/9m以内である必要がある)

さらに、ハンターズマークの恩恵を相棒にも与えることが可能になる。

以下がプレイテスト時のデータです。相棒のデータは多分変わると思うので割愛してます。

フェイ・ワンダラー

このサブクラスは世界における2つの「こだま」であるフェイワイルド(妖精郷)とシャドウフェル(冥界)のうち、フェイワイルドに繋がっているのがフェイ・ワンダラー。

このサブクラスはターシャ本で見たものとほぼ同じだが、新しい呪文やレンジャー特徴とより密接に連動するようになった。

サモン・フェイなどのターシャ本にあった呪文とともにフェイ・ワンダラーもPHBに「迷い込んできた」のだ。
その他の特徴としては以下のとおりだ。
・フェイ・ワンダラーの魔法で追加で使用できる魔法が大幅に増える
・心苛む打撃で追加精神ダメージを与えることができる
・この世ならぬ魅力で相手を惑わすことができる
・もちろん、ミスティ・ステップも使える

このサブクラスを選ぶだけで、フェイワイルドの影響を強くうける事ができて、アーチフェイを選んだウォーロックと良いコンビを組める。

グルーム・ストーカー

こちらはシャドウフェルの影響を受けたレンジャーだ。シャドウフェルだけではなく、地下や地底などにも適している。

このサブクラスは闇に潜む者たちを狩り、「闇の天敵」として機能する。ヴァン・ヘルシングっぽいキャラクターを作りたいときにお勧め。レンジャー界の「ゴスっ娘」である。

  • 恐るべき奇襲(Dread Ambusher・3レベル)
    もともとは戦闘の開始時にしか使えなかったのが、今では使用回数制限で連続で使用できる。

    ダメージもフェイワイルドとシャドウフェルの精神的なつながりを表すために精神ダメージへと変更された。イニシアチブへのボーナスももらえる(プレイテスト時は判断力修正値を乗せる)

  • 影見通す目(Umbral Sight・3レベル)
    暗視を獲得し、暗視のみで視認している相手に対して不可視状態となる。

  • 追跡者の連撃(Stalker's Flurry・11レベル)
    恐るべき奇襲で与えるダメージが増える。さらに、恐怖のオーラを放って敵を恐怖状態にする。

  • 朧影(Shadowy Dodge・15レベル)
    ダメージを受けたら転移して、それを回避できる。

ハンター

レンジャーの基点として存在していた。今までの特徴の中から一番おもしろいものを抽出して、入れ替えながらバランス調整をした。

  • Hunter's Lore(ハンターの知恵・3レベル)
    ハンターズ・マークを使用しているクリーチャーの抵抗、耐性、脆弱性を全て把握できる。
    「このクリーチャーには火が効かない!」「光輝を使うんだ!」みたいな行動ができる。

  • 狩りの技(Hunter's prey・3レベル)
    2014年では、いろんな選択肢があったが、ここでは一番「強い」ものを凝縮した。何を選んでも失敗は無いようにした。

    さらに、狩りの技は大休憩終了時に選び直せるように改修した。必要に応じて一番最適なものを選べる。

  • 守りの技(Defensive Tactics・7レベル)
    同じく、選択肢を凝縮し、大休憩で入れ替え可能にした。

  • 上級狩りの技(Superior Hunter's prey・11レベル)
    ハンターズマークのダメージを与えた時、30ft(9m)以内にいる別のクリーチャーにもダメージを与えることができる。

  • 上級守りの技(Superior Hunter's Defense・15レベル)
    リアクションで受けたダメージに対する抵抗を得られる。次のターンまで持続する。

このレンジャーは技を入れ替えることで、様々な状況に対応することができる一番柔軟性の高いレンジャーだ。ゾンビ・アポカリプスだって無双できる。必要なものをいつでも手元に用意できる「冒険野郎」だ。

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