PPM (プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)10の考え方。
PPMの前提
相対的市場シェアが大きいほどキャッシュ•インフローが大きくなるのは、経験曲線効果が生じること、成長性の高い事業ほどキャッシュ•アウトフローが大きくなるのは事業ライフサイクルの考え方があること、が前提にある。PPMは、全社的な資源配分を行うツールの1つだが、財務的観点だけで事業を選定すると事業間シナジー等が得られなくなる可能性があるので、ドメインの定義と併用することによって、それらが考慮された範囲で事業展開が行われるため、より現実的な資源配分の指針となりうる。
①PPMの考え方は、製品市場の定義に関わらず、相対的市場占有率が小さいものの大きなキャッシュフローが生み出せるケースにも適用できる。
②PPMの考え方では、資金の流入は市場の成長率と自社事業の成長率によって決まり、資金の流出は自社事業の相対的市場シェアによって決まる。
③PPMは、自社技術の開発や外部技術の導入、外部資金の再配分等により、範囲の経済を実現することで競争優位を確立できる業界に適している。
④PPMは、外部からの資金調達は考慮していない。
⑤PPMは、全社的な資源配分を行うためのツールの1つとして有効だが、ドメインの定義と併せることによって、より現実的な資源配分の指針となる。
⑥ PPMは、市場成長率と相対的マーケットシェアの2つの軸で複数事業の資源配分を検討する。
⑦ PPMの考え方では、資金の流入は自社事業の競争上の地位(相対的マーケットシェア)で決まり、資金の流出は市場成長率で決まる。(自社事業の成長率ではない)
⑧ PPMは、個々の事業のキャッシュフローに焦点を当てており、事業間の関連性(シナジー効果)は想定していない。
⑨ PPMは、自社技術の開発や外部技術の導入、外部資金の再配分等で範囲の経済を発揮し、競争優位性を確立しようとする業界で適用することは困難。
⑩ PPMは、事業の財務面を重視しているが、事業間のマーケティングや技術のシナジーは考慮していない。