木賊温泉 岩風呂
2014年春、雪解けを待って、秘湯中の秘湯、奥会津の木賊温泉(とくさおんせん)『岩風呂』へ日帰りで行ってきた。
木賊温泉の岩風呂は、いまどきの温泉ファンなら泣いて喜ぶ足元湧出の秘湯だ。巨大な岩の割れ目から自然に湧きだす湯を、その岩を穿つことで湯船にしたものである。いつ造られたか判らないほどはるか昔からある岩風呂は木賊(とくさ)集落の人々に大切に維持されてきた。
早朝、浅草駅から東武線快速に乗り、途中、野岩鉄道に乗り換えて会津高原駅に9時半頃着いた。バスが減便されているこの時期、木賊温泉へ昼前に行くには、峠越えのブロンプトン自走しかない。もちろんそのつもりで来た。
[走行データ]
ルート: 会津高原尾瀬口駅→木賊温泉→舘岩観光案内所前バス停
距離: 49.10 キロ
最大標高差: 332メートル
平均斜度: 全体0% 上り3.4% 下り2.8%
獲得標高: 上り540m 下り565m
中山トンネルへ向けて高度を上げていく。
ずいぶん来たぞ。急坂の連続でくたびれ果てる。
漸く峠にたどりついた。ここまでやっと6キロ。ここからは木賊口分岐まで20キロ以上とまだまだあるが基本的に下りなのでなんとかなりそうだ。
トンネルは慎重に走ろう。赤のテールランプを点灯すれば安心だ。
トンネルを抜けてどんどん進むと、11キロ地点で『道の駅番屋』を発見だ。蕎麦がうまいとの評判だったので、ざるそばをオーダー。地元産そば粉100%の蕎麦だそうだ。うまい!南会津の舘岩地区は良質なそばを産することでも有名だ。
腹ごしらえもできたので、続行。そろそろ木賊温泉への分岐があるはずだ。それにしても川の雪解け水のこの感動的な青さ、何だろう。
木賊口(とくさぐち)についた。ここから木賊の集落へ向けて舘岩川の支流である西根川沿いに約6キロを登っていく。
木賊方面に上っていくと農地がまだ雪に覆われている。
雪解けで西根川が増水している。
着いた!木賊温泉岩風呂の表示だ。会津高原駅から約35キロの長い道のりであったがようやく着いた。
岩風呂にはここの階段を降りて行くらしい。
見えてきた見えてきた。
この佇まい、まさに秘湯の中の秘湯だ!
予想通り空いていた。誰もいない・・・と思ったら、岩陰に男性が一人いらした。失礼しました。断ったうえで、もう一度、隠れてもらって、撮影させてもらった。
岩を穿ってつくられた露天岩風呂だ。
左側四分の一ぐらい、小さめの石を敷き詰めたあたりの底から湯がこんこんと湧き出している。静かな自然湧出だが、排湯の量からして相当な量だ。
川との一体感も素晴らしい。が、それ故に水害に遭いやすいロケーションだ。この湯屋を長いこと維持してきた地元の方の御苦労に頭が下がる。
仄かな硫黄の香りのある澄んだアツ湯が気持ち良い。極楽極楽。
そうこうしているうちに、あっという間に6~7人が入浴してきた。噂通り人気の湯だ。素晴らしい秘湯体験に感謝だ。
皆さん、ご愛読ありがとうございます。とっておき秘湯シリーズ、緊急事態宣言が出た日に開始して、本日で47本目(34湯目)となりました。つたない文章ですが、外出自粛に協力されている皆さんには、秘湯の絶妙な湯加減を想像して少しでも気を紛らわしていただけたら幸いです。もうひと頑張りです。
秘湯記事、東京都の外出自粛の解除の日まで毎日続きます!
ご参考:霧積温泉金湯館から始まりました。