10年が経過した話(サラリーマンの備忘録)
久々に文章を書きたくなった。
今年の4月で社会人になって10年が経過した。転職も経験していないため、同じ会社に10年間勤めていることになる。さらに、細々した部署異動や部署名の変更はあるが、基本的に10年間同じ仕事(営業)をしている。
今更ながら、一つの組織に10年間も所属していることは人生で初めての経験である。人生の約3分の1に相当する。当初は仕事が嫌で嫌で仕方なく、東京の街もあまり好きになれなかった。いや、今も変わらず仕事は嫌いだし、秩父あたりの田舎に引っ越したいなぁと思うことも多い。ただ、当時は同じくらい会社や顧客のことも嫌いだったような気がする。
ポリシーではないが、10年前から心がけていることがある。先輩や友人、顧客からの誘いを極力断らないことだ。会社、さらには東京の街に知り合いも少ない自分がまず行うべきことは、仕事を覚えることと同じくらい、自分の居場所を作ることと考えていた。特に会社の仲間で業務終了後に飲みに行く機会には、出来る限り参加するように心がけた。根暗で飲食店の店員さんに声をかけるのも苦手な自分には、結構つらい事であったが、これだけは頑張ったように思う。
その結果か分からないが、会社内に居場所ができた。社内外に知り合いも増え、個人的に仲の良い人もでき、近所付き合いができた分、会社や顧客のことも大嫌いではなくなった。今でも働くことは大嫌いだし、出来れば明日も休みたいけど、自分の労働に関係する組織というか、自分の労働に関わる人たちのことは好きになった。
昨年からの世界を取り巻く状況から、在宅勤務が増えたことにより、新入社員を中心に会社内で孤立する人が増えているという。実際、40〜50人程度の私の会社の東京支店の中にも顔を知らない人間が何人か存在する。出張の機会も激減し、工場やお客さんにも顔の知らない人が増えた。
これが今後10年間のスタンダードになることは避けられない状況だと思う。10年前の自分だったら、飲み会にも出なくていいし、出社頻度も激減で、大歓迎していたように思う。一方で、これまでの10年間を少し否定されているようで、手放しで歓迎できない自分もいる。顔も性格も分からない会社や顧客のために、どこまでこれから10年は頑張れるかなぁ。
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